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環境再生レポート

Vol.99

2026年8月18日

浜通りの課題を考える「浜通りThinking 2026」
-大学生が中間貯蔵施設等を見学し
地域の方々と対話しました-

福島県浜通りの課題を考えるプログラム「浜通りThinking 2026」の現地見学とワークショップに、福島県内の大学生等41名が参加し、中間貯蔵施設などの復興関連施設で学びました。プログラムは、福島県立医科大学と福島環境局・環境再生プラザの連携企画です。診療放射線技師など医療分野での活躍が期待される学生が、震災や福島の復興、環境再生の現状、浜通りの課題について学び、考え、自ら発信するものです。見学前の事前学習、現地見学とワークショップ、学んだことについての情報発信の3回で構成されています。事前学習では、放射性物質が福島の環境に与えた影響や除染、中間貯蔵などの環境再生の歩みについて学びました。

見学当日の8月1日、移動中のバスの中で7月28日に発生した熊本地震により犠牲になられた方々への黙とうを捧げました。15年前に東日本が経験した大地震。震災を自分事とするにはどうしたらいいのかを考えながら、参加の意気込みなどを共有しました。ガイダンスでは、福島県の成り立ちや被災した浜通りの歴史や地域性などを学びました。学生からは「福島のことは知っているつもりだったが、何も知らないことに気づいた」などの意見がありました。

バスの中で今日の意気込みを話す学生

大平山慰霊碑の前で3.11を振り返る

見学では初めに浪江町の大平山霊園を訪れました。請戸小学校の児童や先生がいち早くこの山に向かって避難したことで無事に命を守ったこと、津波により流された請戸地区の墓石を集め整備されたことを知り、震災の教訓として、日頃からのコミュニケーションや備えをしておくことの大切さを学びました。また、原子力発電所の事故に関連して3月12日早朝に出された避難指示のため、同地区で救助活動を再開することができなかった消防団員の「無念」を知りました。
次に、請戸漁港や請戸海岸、請戸小学校を車窓から見学しました。見学当日は、16年ぶりに請戸海水浴場が海開きをする日で、賑わいが戻ってきている様子を見ることができました。その後、5月に開園した福島県復興祈念公園、国営追悼・祈念施設を車窓から見学しました。この場所は、東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂、震災の記憶と教訓を次世代へ語り継ぐために整備された公園で、大震災について知ってもらう、考えてもらうきっかけとして多くの人々が訪れることが期待されています。

海開きで人が集まる請戸海岸

震災遺構の請戸小学校

午前中の最後には、東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れました。館内の展示物を見た後、それぞれが震災や原子力災害に対する「教訓」や「未来へ伝えたいメッセージ」を付箋に記して残しました。

伝承館で大震災を学ぶ

各自メッセージを考える参加者

午後には、大熊町の中間貯蔵事業情報センターを訪れました。ガイダンス動画で中間貯蔵施設の概要や福島県におけるこれまでの環境再生の歩みなどについて学びました。

中間貯蔵事業情報センターでの説明

「福島のこの先」を考える

その後、帰還困難区域でもある中間貯蔵施設内へ入り、現地の様子を見学しました。特別養護老人ホームであったサンライトおおくまでは、東京電力福島第一原子力発電所の事故直後に避難を余儀なくされた入所者の想いを想像しました。また、発電所を望む高台からは、原子炉建屋や処理水タンクが立ち並ぶ様子を眺め、改めて震災と原発事故について実感を深めたようでした。発電所を囲むように整備された中間貯蔵施設の様子を見て、かつて暮らしていた土地を苦渋の想いで手放した地域の方々の想いに触れました。事故により放出された放射性セシウムは、現在、樹木ではなく主に表土にあることを事前に学びましたが、実際に放射線を測定し、地面の土からの放射線を確かめました。

高台から原子力発電所を望む

空間線量率を測定し安全性を確認

土壌貯蔵施設でも放射線量を測定しました。参加者からは「思ったほど高くなくてびっくりした」などの感想がありました。また、次に訪れた郡山地区にある正八幡神社では、地域の方々が定期的に清掃するなど、神社を心の拠り所として大切にしていることに共感したようでした。

土壌貯蔵施設での線量測定

住民の「心の拠り所」正八幡神社

最後に、双葉町産業交流センターで、地域の方々と対話型のワークショップを行いました。お招きしたのは、大熊町でキウイの再生に挑戦している阿部翔太郎さん、浪江町での震災の記憶と経験を紙芝居などで伝える岡洋子さん、語り部として双葉町での地震・津波・避難の経験を後世に伝えている髙倉伊助さん、生まれ育った大熊で町の活性化のため様々な活動に取り組んでいる南場優生海さん、双葉地域を観光で盛り上げようと奮闘している山根辰洋さんらです。それぞれ活躍の分野は異なりますが、地域愛にあふれ、復興に対する想いを熱く語られました。その思いを共有した学生たちはたくさんの気づきを得たようでした。

学生ひとりひとりに語りかける岡さん

震災の経験を話す髙倉さん

これまでの活動を説明する山根さん

大熊町への想いを話す南場さん

参加者と年齢が近い阿部さん

グループごとに感想を全体で共有

帰りのバスの中では一日の振り返りをしました。印象に残ったことを各自が発表し共有しました。参加者からは、「浜通りの復興とは何か深く考える機会になった」「自分ができることはまずは友達や家族へ見聞きしたことを伝えること」「今後は復興に貢献できる行動を起こしたい」など様々な感想・意見がありました。プログラムの最後として、9月26日には福島環境局において発表会を開催し、思いを学生自ら情報発信する予定です。

環境再生プラザでは引き続き、放射線や環境再生への取組について情報発信してまいります。

バックナンバー

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除染活動レポート(~2017年1月19日)

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