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環境再生レポート

Vol.57

2023年12月13日

双葉郡のこれまでと今を知り、これからを考える

「ふたばエイト」の職員向け研修会が、昨年に引き続き環境再生プラザとの共催で、11月21日(火)に開催されました。双葉郡8町村のまちづくり会社で構成されるふたばエイトは、各町村が本格的に移住定住支援を進めているなか、連携と地域の魅力発信、関係人口・交流人口の拡大を目的として活動しています。まちづくり会社の新入職員は若手や県外出身者も多く、今回の研修は震災の発生からこれまでの復興の取組や地域の理解を深めるプログラムとし、15名が参加しました。


(一社)ならはみらい西出事務局次長の開会あいさつ


東京電力廃炉資料館にて


なぜ事故は防げなかったのか


原子炉内の広さを実物大で実感


廃炉の現状について

始めに東京電力廃炉資料館を訪れました。東日本大震災と原子力災害の概要について、シアターの動画や館内の展示物を見ながら、原発事故がなぜ起こったのか、なぜ事故を防げなかったのか、廃炉作業の状況やALPS処理水などについて、説明を受けました。参加者にとって、改めて事故からの教訓と廃炉の現状を知る機会となり、「ヒラメを使った実験で、トリチウムが体内に蓄積されないことを確認していることが勉強になった」などの感想がありました。

次に中間貯蔵施設を訪れました。参加者からは、「中間貯蔵施設が思ったより広くて驚いた」「実際に測定してみると自分たちが生活している場所や国道6号付近と大差ないことがわかりました」との声がありました。震災からそのまま手付かずになっているサンライトおおくま(旧特別養護老人ホーム)も見学し、「震災当時のままの建物を見ると悲しい気持ちになった。震災のアーカイブになるのでは」との感想もありました。


線量測定の様子


展望台から東京電力福島第一原子力発電所を望む

最後にリプルンふくしまを訪れました。今回、新たに学んだことや感じたことなどを共有する振り返りワークショップを実施しました。2グループに分かれて各自の気づきやそれぞれの地域で抱える課題、業務で悩んでいること、今後の展望などについて話し合いました。


日頃思っていることを話し合う


地域と移住者、町村間の連携・協力を再認識

参加者からは、「県外では授業で放射線を学ぶことはない」「移住者は放射線のことを気にしていない」「他のまちづくり会社の方と話す機会が少ないので話せてよかった」「とても有意義な時間だった。町同士で連携して双葉郡全体で底上げしていきたい」などの声が聞かれました。
今回の研修では、双葉郡の今を発信するため、ふたばエイト撮影隊のメンバーも参加しました。研修で訪れた中間貯蔵施設の様子をYouTubeチャンネルで配信する予定です。

なお、当日は参加者に個人線量計を貸し出し、外部被ばく線量を測定しました。また、中間貯蔵施設見学後は足裏のスクリーニング(表面汚染検査)を行った結果、基準値を超える表面汚染はないことを確認してもらうなど、放射線についても知っていただけるようなプログラムでした。

環境再生プラザでは引き続き、放射線や環境再生の理解促進に取り組んでまいります。

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