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Vol.35
2021年10月5日
福島市教育委員会教育研修課主催の教職員研修が8月30日に行われ、市内の小中学校から教員の方々61名が参加されました。研修では、放射線教育推進校が実践例を、環境再生プラザが授業で使える小中学生向けの6つのプログラムを紹介しました。当日はWebを使い市内の全小中学校をオンラインでつないでの実施となりました。環境再生プラザの協力は今回で4回目となります。
紹介したプログラムは、既存の「紙芝居」「カルタ」「霧箱作成」「放射線モニタリング測定」「風評払拭ワークショップ」の5つに加え、新しく作った「震災を知らない世代へ」です。震災から10年が経過し、子供たちは震災を知らない世代になりつつあります。教育現場をはじめとして、次の世代に東日本大震災と原子力災害の教訓について伝えていくことはとても重要なことと認識されていますが、一方で、何を、どのように伝えればいいのか、学校や一般向けセミナーなどでの限られた時間ではなかなか難しい、伝わりにくいといった声が多く聞かれています。このような背景から企画したもので、低学年対象として紙芝居を制作し、高学年以上対象として聞き取りと対話のプログラムを作りました。
また、当日の研修に先立ち、「放射線に関わる福島のこれまでと今」をテーマとした動画を教育委員会HPに1週間ほど前から掲載し、オンラインで事前に学習していただきました。内容は、現在の空間線量率や外部被ばく・内部被ばくなど放射線に関わる現状と放射線を減らす除染などの取り組み、放射線の種類や半減期・単位などの基礎、放射線の健康影響の3部構成で、環境再生プラザアドバイザーが解説する48枚のスライドショーです。
受講された先生から、「(震災を知らない世代への)聞き取りシートを通して、身近な人の言葉で震災を知ることができ、生徒が真剣に考えられるようになる」や「実践例だけでなく、さまざまなワークシートなども参考になった」などの感想をいただきました。
環境再生プラザでは引き続き、放射線に関する理解促進のためのさまざまな活動をサポートしていきます。