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Vol.51
2023年10月20日
福島市教育委員会研修課主催の教職員向け研修、「防災・放射線教育研修」が8月31日に福島市民会館で行われ、市内の小中学校教職員56名が参加されました。放射線に関わる研修の一部を環境再生プラザが担当し、今回で6年目となります。
研修は、防災講義から始まり、放射線研修については昨年度の放射線教育推進校(金谷川小学校)から報告がなされました。次に環境再生プラザから、福島県外で行われている放射線授業について、放射線の基礎、そして授業で使える4つの実習プログラムを紹介しました。
まず、環境再生プラザに登録されている専門家の鳥取大学の北先生が原子力発電所のある松江市や福島県内の放射線教育について、ご自身の放射線授業体験をベースに説明しました。
放射線の基礎と実習プログラムでは、環境再生プラザのホームページに掲載されているクイズ「ふく知るチャレンジ」などを交えながら紹介しました。放射線の基礎では、環境再生プラザの安藤アドバイザーが、放射線の種類や性質、単位、福島県内の空間線量や食品中の放射能、さらには除染で発生した除去土壌等の状況などを紹介しました。
その後、4つの実習プログラムを紹介しました。
霧箱作成と観察:小学校高学年から中学校向け。北先生が霧箱の構造や飛跡(ひせき)の原理を説明、身近に購入できるシャーレやスポンジなどを用いて参加者が霧箱を実際に作りました。会場を暗くすると、「飛跡が見えた」、「見えると分かりやすい」との声があがりました。霧箱観察は生徒達にも好評です。
放射線モニタリング体験:小学校中学年から中学校向け。簡易線量計を用いて、会場内の空間線量率を測定しました。安藤アドバイザーが、震災からの福島市の空間線量率の変化や校庭で実際に測定した様子を動画で紹介しました。
紙芝居:小学校低学年向け。4種類ある紙芝居の一つ「ふくしまのたべものどうなっているの?」について、環境再生プラザスタッフと受講者の先生が実演しました。ふくろう先生の説明で食品の放射性物質対策や検査について理解するストーリーです。
風評払拭:小学校高学年から中学校向け。作った野菜を東京の友人へ送っていいか悩んでいるおじいちゃんへのアドバイスを考えるもので、食物中の自然の放射性物質(カリウム40など)の説明から、実際の授業での進め方やワークシート、過去の実践例などを紹介しました。
参加者から「授業に活かせそう」、「クイズ形式は盛り上がりそう」というご感想や、「教材などの準備が難しく教えて欲しい」、「専門家からの話や支援が欲しい」などのご要望をいただきました。
環境再生プラザでは引き続き、放射線の理解促進のため様々な活動をサポートしてまいります。