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環境再生レポート

Vol.87

2025年10月31日

花巡りいいたて
-花をとおして飯舘村のこれまでを知り、これからを考える-

飯舘村で花の栽培農家や除去土壌の再生利用をしている場所などを訪ねる見学会「『花巡りいいたて』~花・人・地域 これまでとこれからをつなぐ~」が10月4日(土)に開催されました。環境再生プラザの企画で、福島市でフラワー教室を開かれている鈴木さちこさんを講師に迎え、フラワーアレンジメントが体験できるとあって、定員20名に対して71名もの応募があり、抽選でご参加いただきました。

はじめに、松塚地区で花を栽培されている高橋日出夫さんを訪れました。ビニールハウスではアルストロメリアが栽培されていて、震災からこれまでの苦労や、良い花を栽培するための工夫などを話していただきました。また、県外から移住して花の栽培農家となった小原健太さんにも来ていただき、参加者の皆さんと交流していただきました。小原さんは師匠と仰ぐ高橋さんも認める高品質のトルコギキョウを生産されているとのことです。参加者からの花に関するたくさんの質問にお二人で丁寧に答えていただきました。

参加者の質問に答える高橋さん(右)

小原さん(中央)からの説明

昼食は佐須地区にある農家レストラン「気まぐれ茶屋ちえこ」で、飯舘村で育てられた野菜を使った郷土料理や凍み餅をいただきました。店主の千栄子さんはそれぞれのテーブルをまわりながら、農家レストランをオープンしたこと、どぶろく特区に指定されて免許取得されたこと、凍み餅を作る工程、そして震災後の避難と避難指示解除後のレストラン再開など、さまざまな話をしていただきました。皆さん、穏やかな語り口ながらもその芯の強さに元気をもらっていたようです。

凍み餅の作り方を話す千栄子さん(奥)

昼食後、小宮地区で花を栽培されている須田幸正さんを訪れました。避難指示が解除された後で花の栽培を始め、花を見て心が安らぐのがいいと思い花の農家になったとのことです。現在、ハイブリッドスターチスを栽培されていて、切り花後も日もちがよく1年くらい楽しめる一方で、虫や病気に細心の注意を払って栽培をしなくてはならないそうです。出荷のピークを迎えた満開のハイブリッドスターチスを目の前にして、参加者の皆さんは感心されていた様子でした。


ビニールハウス前での説明


須田さん(左)と鈴木先生


咲き誇るハイブリッドスターチス

その後、長泥地区にある花の里ながどろ環境再生情報ひろば(愛称:ながどろひろば)を訪れました。村内の除染で発生した土壌のうち放射能濃度の低いものを盛土材に使い農地を造った「環境再生事業」について環境省の担当者から説明をうけ、実際にその農地で放射線を測定する体験なども行い、参加者ご自身で確認されていました。

ながどろひろばで説明を受ける参加者

造成された農地での放射線測定体験

また、ながどろひろばに隣接するビニールハウスでは、見学と合わせてワークショップに使うアルストロメリアを各自で1本ずつ選んで切る体験もしていただきました。このあと、コミュニティーセンターへ移動し、フラワーアレンジメント体験をしました。花はアルストロメリアのほか、ビニールハウスで栽培されているトルコギキョウやカーネーションに加え、訪問した花の農家さんからいただいたアルストロメリアとハイブリッドスターチスを使いました。参加者の皆さんは、栽培支援員としてお手伝いしていただいている地元の方らと一緒にわいわい話をしながら、思い思いの作品つくりに取り組まれていました。

ながどろひろばビニールハウスでの切り花体験

ポイントを説明する鈴木先生(中央)

熱心に制作するみなさん

それぞれ見事な出来ばえ

参加者からは「どちらの訪問先でも温かく迎えて頂いて、こちらがエネルギーをチャージできました」、「飯舘村の各地区をバスでめぐり、草刈もまでい*にされていて本当に美しい村だと思いました。長泥地区の皆さん、とても若々しかったです。ますますお元気で長生きしてください」、「このような企画をまたやってほしい。町おこしになるのでは」といった感想がありました。

環境再生プラザでは引き続き、放射線知識の向上や環境再生の理解促進に取り組んでまいります。

*手間暇を惜しまない:時間や労力を惜しまず、丁寧に物事を行うという意味のこの地方の方言。

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