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Vol.38
2022年9月16日
福島市教育委員会研修課主催の教職員向け研修「防災・放射線教育研修」が、8月31日に福島市民会館で行われ、市内の小中学校から教職員の方々、約70名が参加されました。研修では、放射線教育推進校が実践例を、環境再生プラザから福島県外の放射線授業についての状況と授業で使える小中学校生向けの4つの実習プログラムを御紹介しました。環境再生プラザの協力は今回で5回目になります。
はじめに、福島市立飯野中学校から全学年で取り組んだ放射線授業の御紹介がありました。
環境再生プラザからは、専門家として登録されている鳥取大学の北先生にオンラインでご参加いただき、福島県内外での放射線教育を御紹介いただきました。ご自身の体験談などを交えながら、福島県内外では「温度差」があることや福島県の放射線授業は国内で最も進んでいることなどのお話をいただきました。
その後、昨年まで同研修で紹介している「紙芝居」「霧箱製作」「放射線モニタリング」に加え、環境再生プラザHPに新しく掲載した「ふく知るチャレンジ」を合わせて4つのプログラムについて実習を兼ねた研修を行いました。
「実習1:紙芝居(なにがおきたの?大しんさい)」は、小学校低学年向けで、可愛らしいキャラクター達が、東日本大震災のことを家族へ聞き取り、話を持ち寄り、みんなで理解するストーリーです。スタッフによる実演後、受講者の先生に日本語版と英語版を実演していただきました。読み聞かせでは朗読者ご自身の震災体験をアドリブで話すなど、子供達により身近なものとして理解できるよう工夫されています。
「実習2:霧箱作成と観察」は、小学校高学年向けで、身近に購入できるものを用いて参加者に霧箱を作っていただきました。会場を暗くして放射線の飛跡が観察できると、「飛跡が見えた」、「授業で取り入れたらおもしろそう」との声があがりました。霧箱観察は、実際の放射線授業において、子供達にも好評です。
「実習3:モニタリング測定体験」は、簡易線量計を用いて、実際に会場内の放射線の空間線量率を測定しました。また、鳥取大学の北先生から、鳥取での空間線量率を御紹介いただき、市内にある小学校の校庭を実際に測定した動画や、インターネットで調べた全国の空間線量率を紹介しました。
「実習4:「ふく知るチャレンジ」」は、中学校以上向けに、オンラインで学ぶことができる学習コンテンツです。「放射線」、「除染・中間貯蔵」、「地域の環境再生」の3つのジャンルについて、クイズ形式で学ぶことができます。少し難しいものもありますが、回答後のワンポイント解説で理解を深めていただける内容となっています。実習では「放射線」について2問、チャレンジしていただきました。
また、当日の研修に先立ち、「放射線に関わる福島のこれまでと今」をテーマとした動画を、教育委員会HPに1週間ほど前から掲示し、事前に学習していただきました。内容は、「放射線の単位、種類や半減期などの基礎」、と「放射線による健康影響」、「放射線に関わる福島のこれまでと今」の3部構成で、環境再生プラザアドバイザーが解説する約30分のスライドショーです。
受講された先生からは、「紙芝居はダウンロードして印刷して使えそう」、「目に見えるというのが何より!」や「チャレンジはタブレットを持ち帰った時に家庭学習にも取り組めそう」などの御感想をいただきました。
環境再生プラザでは引き続き、放射線に関する理解促進のため、様々な活動をサポートしてまいります。