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環境再生レポート

Vol.69

2024年8月13日

田んぼの生き物たち
-飯舘村長泥地区の水田試験エリアで見つけました-

福島県飯舘村長泥地区では、除染で出た土を再生資材化して農地を盛土する実証事業が行われています。これまで環境再生レポートでは、水田試験エリアで見られた生き物などをお伝えしました
Vol.48 田んぼの生きものと緑肥の花々-飯舘村長泥地区の水田試験エリアで自然探索-)。
今年も昨年に引き続き水田試験を実施しており、稲が順調に生育するなか、7月の初旬と下旬、環境省の依頼で専門家の方々による生物多様性調査が行われました。今回、これに同行、田んぼで見られた生き物についてご紹介します。

水田試験エリアでは、盛土した土壌の透水性や排水性など水田の機能を確認しています。ここで生物多様性の目安(指標生物といいます)となるトンボのヤゴなどの水生昆虫、クモやカエルの生息状況の調査をしました。

水田試験エリア

調査の様子

7月初旬、田んぼの水辺ではアメンボやヤゴ、いろいろなトンボなどが見られました。

脚から水をはじく脂を出し、表面張力で水に浮くアメンボ

トンボの幼虫のヤゴ

たくさん見られたオタマジャクシ

アキアカネ 成熟すると腹部が赤くなります

鮮やかな水色模様があるオオイトトンボ

成虫で越冬するホソミオツネントンボ

真っ赤な腹部が目立つショウジョウトンボ

水色めがねのシオカラトンボ

7月下旬、小さなアマガエルがあちこちで見られました。また、アキアカネの中にはお腹がうっすらと赤くなっているものがいました。

オタマジャクシからカエルになりました

アカトンボになりつつあるアキアカネ

田んぼの中をのぞくと水面近くにクモの巣が張られていました。雨に濡れたその巣は円形で、水面に対して水平に張られ、真ん中が空いています。作ったのは農業に有用な生物多様性の指標生物になっているアシナガグモの仲間で、前足の2本が特に長いのが特徴です。ほかの場所に目をやると、8本の手足を伸ばして浮かぶコモリグモの仲間が見られました。素早く水面を走り、まるで忍者のようなクモです。


イネの葉に沿って隠れるアシナガグモの仲間


水面ぎりぎりに網を張り、蚊などの獲物を待ち構えます

長い前足が目立ちます

表面張力で浮かぶコモリグモの仲間

今回、昨年に引き続き、さまざまな生き物が田んぼで見られました。大震災から長い年月が経っていますが、小さな生き物たちが頑張って生きている姿にほっとすると同時に元気づけられました。
長泥地区で行われている水田などの実証事業について、現地を訪れて実際に見ることができる見学会を定期的に開催しています。是非、ご参加ください。

環境再生プラザでは、今後も地域の環境再生について情報発信し、理解促進に取り組んでまいります。

◆ 飯舘村長泥地区環境再生事業見学会のご案内
【開催予定日】
8/26(月)・9/28(土)・10/28(月)
11/30(土)
※参加無料・要事前申込み

詳細は、専用ホームページをご覧いただき、メールまたは電話でお申し込みください。

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