ここから本文です
Vol.27
2020年10月27日
浪江町の苅宿地区では、近所の人たちが協力して、「苅宿ふれあいファーム」という地域ぐるみで営農管理ができる団体を作り共同で米づくりをしています。共同作業をしている有志11人のうちの一人、岡高志さんによると、震災以前は食味等級で特Aとなるほどおいしい米が作られていたとのこと。震災から長い期間、稲作が途絶えましたが、昨年に稲作を再開、放射性物質検査をクリアし、今年は3haの作付けをしました。今年の出来は、酷暑のためか粒はやや小さめだが収量は良好とのことです。
9月初め 青々と広がる田んぼ 稲を害虫から守るクモやカエルなど多くの生き物が見られました。
震災後しばらくは先が見えない状況でこんなふうに再開できるとは思えなかったとのこと。コンバインなどの農機具をどうするかなど準備が大変だったが、再開してよかったとしみじみ語られました。
10月 稲刈りの様子とゆるキャラのうけどん
稲刈り後の晴れ晴れとした秋空に
ウロコ雲が浮かんでいました
避難指示が解除された地域では、米作りを再開したいと思っていても高齢などの理由により個人では難しい場合があります。昔からの田んぼを、地域の仲間と共になんとか次の世代にも引き継いでいきたいという強い思いから、来年は15ha、5年後には30haに増やし、将来的には農業法人として、地域の稲作を担っていきたいとのことです。
9月初めと10月に取材に伺いましたが、水が入り青々とした時期と、黄金色に染まる稲と稲刈り後の広々とした田んぼのたたずまいがとても印象的でした。