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Vol.37
2022年7月26日
葛尾村にある「葛尾村森林公園もりもりランド・かつらお」はオートキャンプ場・バンガロー・マウンテンバイクコースなどがあり、阿武隈の森・里山の自然を満喫できる場所です。東日本大震災と原子力災害の発生からこれまでしばらく利用を休止していましたが、現在、施設と周辺環境の整備をしており、9月3日(土)には利用再開の予定です。秋の利用再開に先立ち、整備の状況や春の里山の自然をレポートします。
訪れたのは5月の初め、当地は標高約868mの蟹山への登山口がある高原です。森は明るい萌黄色の新緑でピンク色のツツジが満開でした。施設内は宿泊できるコテージや屋根付きのBBQができる場所などリニューアルが終わり、現在MTBコースなどが整備中です。バンガローが点在する場所を歩くと、チゴユリやヒトリシズカなど春の林床植物が咲いていました。
また、この時期は、東南アジア方面で冬を越し日本で繁殖する渡り鳥(夏鳥といいます)がやってくる季節です。新緑が茂った森の中では姿を見ることはなかなか難しいですが、その鳴き声を聞くことができました。森の中でよく響く声のキビタキ、「キョロン、キョロン」と大きな声のクロツグミ、「ピリピリ、ピリピリ」と梢の上を飛びながら鳴くサンショウクイ、「ポポッ」と鼓を打つような響く声のツツドリなどです。このほかにも、シジュウカラやヤマガラ、コゲラ、ウグイス、アカゲラなどさまざまな野鳥がさえずっていました。
散策中、個人線量計による被ばく線量を測定したところ、1時間30分ほどで0.26マイクロシーベルト(μSv)でした※。
今回の訪問は5月でしたが、早春から初夏にかけて様々な花が咲き、様々な野鳥のさえずりを聞くことができます。自然豊かな森は季節を通して楽しむことができ、秋には紅葉が見事となり、コテージやキャンプ場の再開が待ち遠しいところです。
環境再生プラザでは、今後も様々な機会を通じて、地域の環境再生の情報を発信していきます。
※参考まで、今回の被ばく線量ですが、仮に年間4回、1回あたり10時間滞在すると、1年間では0.007ミリシーベルト(mSv)となります。日本人は1年間に大地からの自然放射線で約0.33mSv被ばくしており、このおよそ48分の1です(自然放射線は大地からだけでなく宇宙や食べ物由来もあり年間2.1mSvですから、このおよそ304分の1です)。