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Vol.28
2020年11月13日
NPO法人環境ワーキンググループ伊達では、伊達市内の主な河川の水質調査を震災前の2002年から継続して行っています(NPO法人化されたのは2012年2月、現在のメンバーは19名)。震災後の活動として、市内6河川の水のモニタリングと市内19箇所の空間放射線量を定期的に測っています。今回は、NPO代表の菅野幸雄さんほかメンバー5人が毎月行っている河川の水の調査に同行しました。
バケツを用いて河の水を採取
透視度を測る菅野さんと佐藤泰芳さん
二重十字標識板
二重十字標識板を
底に沈めて観察
【水の透視度を測定】
透視度計に河川水を入れて、水の濁り具合を測ります。透視度計の上部から見て、底にセットした二重十字標識板がはっきりみえる深さを測ることにより水の濁り具合がわかります。
今回はメンバー6人で3班に分かれ、6河川27箇所の測定地点の水を採取しました。河川の水をバケツでくみ取り、現場で透視度計による水の濁り具合を測定します。気温や水温が低い真冬の活動は、さぞ寒さが身にしみるのではとご苦労を想像しました。
検査場所へ戻り、パックテストや検査機器を用いて水質を検査
各河川で採取した水は、公民館3Fを借用している検査場所へ持ち込み、pH(水素イオン濃度)やDO(溶存酸素)、COD(化学的酸素要求量)、EC(電気伝導度)などいくつかの項目について検査します。更に水質によっては、アンモニウムや塩素なども測定します。水の色や濁り・臭い・泡の有無や水量も記録します。
これまでの調査から、「震災以降、水質は特に変化はなく、むしろきれいになっている」そうです。集落の人口が減少したり、下水道が整備されたりして、生活排水が河川に流れ出なくなったことが要因ではないかとのこと。これからも、ふるさとを大切に思う気持ちを住民に持ってもらうためこの活動を続けていきたいとのことです。
この他にも、農薬などの影響で減少したゲンジボタルやクロマドホタルを復活させようと飼育し、地元の子どもたち向けの「ホタル教室」を継続して開催しています。これまで一緒に取り組んできた小学校は昨年に廃校となりましたが、保全活動は続けており、今年も多くのホタルが観察されたとのこと。このほかにも、希少生物になったシロバナタンポポの増殖なども行っています。「大切な自然を次世代へ引き継ぎ、今後も市民の安心安全のために精力的に活動を続けていきたい」と抱負を語られました。
ご参考まで、『なすびのギモン』(平成26年パート2第10回)の動画で、NPOの活動をご紹介しています。ぜひご覧ください。