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環境再生レポート

Vol.83

2025年6月25日

福島の環境再生を学び、正しく伝える
-通訳案内士会が中間貯蔵施設や双葉町の今を見学しました-

海外から福島県を訪れる方々を通訳案内する「ふくしま通訳案内士会」が、6月に中間貯蔵施設を見学しました。震災から14年あまりが経過し、来福する方々に対し、震災後からこれまでの取組みや現状、正しい放射線の知識に基づきガイドできるようにとの目的です。
はじめに、参加者13名は中間貯蔵事業情報センターで、除染により出た土壌やその中間貯蔵施設への輸送と貯蔵、福島県のこれまでの環境再生の歩みなどについて学びました。

中間貯蔵事業情報センターが入るCREVAおおくま

ガイダンス動画を見る参加者

続いて、バスで中間貯蔵施設へ移動し、案内役のJESCO職員の説明を聞きながら、車窓から見学しました。旧特別養護老人ホームのサンライトおおくまでは、建物の中の様子を見て、震災直後に慌ただしく避難された状況に思いを馳せられていました。また、降車場所の東京電力福島第一原子力発電所を望む高台からは、処理水タンクが立ち並ぶ敷地と中間貯蔵施設が隣接している風景を眺め、原発のすぐ近くに集落や人々の暮らしがあったことに改めて思いを抱かれたようでした。住居があった場所は、現在は中間貯蔵施設が整備されています。苦渋の想いで住み慣れた土地を手放した地域の方々の想いにふれる機会となりました。

高台より望む

放射線量の測定

中間貯蔵施設内にある土壌貯蔵施設では、放射線量を測定しました。福島県中通りに住む参加者からは「福島市と変わらない線量のレベルで驚いた。再生利用に反対する人は、実際に現地へ見に来ればきっと納得してくれるはず」との感想もありました。その他にも「報道などで話題になっている官邸での再生土利用はどのようなところで行われるのか」「最終処分された後、中間貯蔵施設はどうなるのか」など質問が出されました。
最後に、正八幡神社を訪れました。この神社は、双葉町の郡山行政区にあり、古くから地域住民から愛され、季節ごとのお祭りや集まりに利用されてきました。地域住民の心のよりどころとして後世に残そうと、傷んだ鳥居を改修し石碑を建立したというお話を伺いました。

正八幡神社

石碑

「氏子一同、長きに亘りこの地を離れることを強いられるが、先人がこの地への一歩を記し、心の拠り所として崇め守り続けた鎮守神を末代まで受け継ぎ、再び、人の営みが蘇ることを願い、この鳥居を建立する」
※石碑より一部引用

参加者からは、「最新の情報に更新することができた」「震災後に除染したことを知らない若い世代もいる。震災を経験した大人が伝えていかなくてはいけない。」「放射線に関して誤解も多いが、事実を正しく伝えることは大事で、学んだことを今後のガイドに生かしたい」などの声が聞かれました。

最後に、中間貯蔵施設の敷地を離れて、双葉駅周辺を歩くフィールドワークを行いました。一般社団法人双葉郡地域観光研究協会の山根辰洋さんに町内をご案内いただきました。
山根さんは、双葉郡の観光に焦点をあてた仕事を立ち上げてインバウンドツアーを積極的にすすめており、参加者は震災後の地域課題に挑戦している姿に刺激を受けたようで、震災を伝えることについて考える一日となりました。

地震発生時刻で止まったままの消防屯所

解体予定のふたばアートプロジェクトの建物

環境再生プラザでは引き続き、放射線や環境再生への取組について情報発信してまいります。

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■2019年の環境再生レポート

■2018年の環境再生レポート

除染活動レポート(~2017年1月19日)

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