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Vol.26
2020年9月30日
福島市教育委員会教育研修課主催の教員研修が8月5日に行われ、市内の小中学校から教員の方々が参加されました。環境再生プラザの実施協力は、今回で3回目となります。研修内容は、昨年度の放射線教育推進校による実践紹介と、授業で使える小中学校生向けの実習5つを行いました。
実践紹介では、平田小学校から、1年生から6年生の全学年を対象とした放射線教育内容をご紹介いただきました。
「実習1:紙芝居」は、小学校低学年向けで、可愛らしいキャラクター達が、放射線の悩みを協力しながら理解してゆく姿を紹介する内容になっています。実習では、プラザスタッフによる実演後、受講者の先生に実演いただきました。
「実習2:かるた」は、小学校中学年向けで、放射線に関連する言葉や文章を、約40枚の札に作成しています。かるたのやりとりを通して、放射線に関する難しい言葉などを学んでゆくものです。実習では、札を10枚配布し、隣同士でかるたとりを体験していただきました。
放射線教育実践例紹介
紙芝居
かるた
「実習3:霧箱作成」は、小学校高学年向けで、学校にあるものと身近で購入できるものを用いて放射線観察装置(霧箱)を作成し、放射線の「飛跡」を観察していただくものです。実習では、スクリーンに映し出される手順に沿って、全受講者に霧箱を作っていただきました。その後、会場を暗くして、自分で作った霧箱内の飛跡を観察していただきました。初めて見る方も多く、好評でした。
「実習4:放射線モニタリング測定」は、学校の校庭などにあるリアルタイム線量計や簡易線量計を用いて、実際の放射線空間線量を知っていただくものです。実習では、リアルタイム線量計の構成などを紹介したビデオを上映し、空間線量の単位、数値の読み方、その意味を知っていただきました。その後、簡易線量計を各自に配布し、空間線量を実測していただきました。
「実習5:風評払拭ワークショップ」は、小学校高学年および中学校向けで、福島への風評に対する自分の考え方や行動を、グループのメンバーと共有しながら作り上げてゆくものです。実習では、農産物を送る福島の方と送られる県外の方の話を出発点として、登場人物の気持ちや登場人物へのアドバイスを受講者から意見をいただきました。また、実際の授業で行ったワークショップ例を参考に、進め方のポイントなどを講師より紹介しました。
霧箱作成
放射線モニタリング測定
風評払拭ワークショップ
受講された先生から、「放射線教育をどのようにすればよいか悩んでいたが、実際の授業で使えるものを学ぶことができて良かった」、「子ども達に合わせて還元できるようにしたい」などのご感想をいただきました。
環境再生プラザでは引き続き、放射線に関する理解促進のためのさまざまな活動をサポートしていきます。