ここから本文です
Vol.24
2020年2月21日
神奈川県内で、放射線管理区域(放射光など)における作業者向け放射線教育プログラムの一部として、身近な放射線に関する講義と原子力発電所事故後の福島における放射性物質対策(除染および中間貯蔵など)の最新情報を紹介しました。
講義の内容は、自然と人工放射線の違いや、私たちが日々どれほど被ばくしているか、風船を使って大気中の自然放射性物質を集めて測定するなどの実験を交えながら、身近にある放射線を説明しました。また、福島における除染と中間貯蔵がどのように進められ、今どうなっているのかなどを、最新の空間線量や食品の検査結果などを踏まえて話題を提供しました。
身近な放射線について講義する様子
風船を使った放射線実験の様子
空気中の自然放射性物質を
集めた風船と比較用風船
講義内容の理解度を高める狙いから、「研修前アンケート」を実施しました。正解率が最も高かった(正解率:100%)質問は、「食品中には自然由来の放射性物質が含まれている」でした。逆に、正解率が最も低い質問(正解率35%)は、自然からの被ばく(日本平均)のいくつかの選択肢のうち最も多く被ばくしている項目について、正解は「食品から」ですが、「宇宙から」の解答が多い結果でした。また、2番目に正解率が低い質問(正解率44%)は、「両親が被ばくした場合、生まれてくる子どもへの遺伝性影響は認めらない」でした。講義およびその最後には、食品(主に天然カリウム40)からの被ばくや、次世代への遺伝性影響が認められていないことを説明しました。
研修後には事後アンケートを行い、「実験があり、身近な放射線の理解が深まった」や、「福島の最新情報を知ることができた」などの反響がありました。今後もこうした活動を通じて、福島における放射線関連情報の発信と不安の低減のためのリスクコミュニケーション活動を進めていきます。