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Vol.73
2024年9月27日
浪江町では、特定復興再生拠点区域*の避難指示が2023年3月に解除されました。
TV番組「なすびのギモン パート12」の取材で、解除された浪江町大堀地区「陶芸の杜おおぼり」になすびさんが訪れ、大堀相馬焼協同組合の理事長 半谷貞辰さんにインタビューしました。
大堀相馬焼は同地区で生産された焼物の総称で、国の伝統的工芸品に指定されています。
半谷理事長は、「300年以上の歴史と伝統を持つ大堀相馬焼の大きな特徴は、走り駒・青ひび・二重焼き。震災前には20軒以上の窯元があったが、震災と原発事故により全窯元が避難を余儀なくされた」と話されました。
また、陶芸の杜おおぼりは、「大堀相馬焼のシンボル的な施設で、古くからの作品や避難先で再開されている窯元の作品、震災で被害を受けた陶器を展示しています。避難指示が解除されて再開したので多くの方に訪れてほしい」と語られました。なお、施設は見学のみで「道の駅なみえ」の「なみえの技・なりわい館」が陶芸工房とショップになっており、組合員窯元の作品の展示や陶芸体験(要予約)ができるとのことです。
今後は、「震災前の大堀地区の姿に少しでも近づいていけるように、避難先で事業を再開している窯元の後押しをしていきたい」と話されました。
取材を終えたなすびさんからは「300年の伝統のある大堀相馬焼。その伝統を守るために陶芸の杜おおぼりが再開されました。歴史と伝統を守りつつ、大堀相馬焼を通して大堀地区を訪れる人が増えてほしい」との感想がありました。
なすびさんがレポートした「避難指示解除された特定復興再生拠点区域ってどうなっているの?(浪江町大堀地区編)」は、環境再生プラザホームページでご視聴いただけます。ぜひ、ご覧ください。
環境再生プラザでは、今後もさまざまな機会を通して、地域の環境再生や復興への取組について情報発信してまいります。
◆「陶芸の杜おおぼり」
大堀相馬焼の拠点施設となっており、東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故に伴い休止状態でしたが、避難指示の解除に伴い2023年6月3日に営業再開
*「特定復興再生拠点区域」とは
将来にわたって居住を制限するとされてきた帰還困難区域内に、避難指示を解除して居住を可能にする区域のことです。6町村(富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)が復興及び再生を推進するための計画を作成し、国が帰還に向けた除染・インフラ整備等を集中的に行いました。