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Vol.98
2026年8月6日
6月20日、飯舘村長泥地区にある「花の里ながどろ 環境再生情報ひろば(愛称:ながどろひろば)」を拠点に、モリアオガエルなどを観察する自然観察会を開催しました。小学生を含む家族連れを中心に、地元の飯舘村や福島市をはじめ県内各地から30名を超える皆さまが参加し、初夏の長泥地区に子どもたちの元気な声が響きました。
開催のきっかけは、今年4月に行われたアカガエルの観察会でした。長泥地区で両生類やホタルの調査を行っている株式会社大林組技術研究所の寺井学さんのご協力のもと、地域の関係者にも参加いただき意見交換を行う中で、自然観察を通じてさまざまな人がつながり、長泥地区の魅力を発見・発信する「ながどろ生きものみっけ隊」のコンセプトが生まれました。
アカガエル観察会(4月)
自然観察を通じた魅力発信について意見交換
今回の自然観察会は、長泥地区の自然と復興が進む今の姿を知っていただくことを目的に、一般の方々を対象として初めて企画したものです。講師には、寺井学さんと、被災地域で生物多様性調査に取り組んでいる国立環境研究所福島地域協働研究拠点の吉岡明良さんをお迎えしました。観察に先立ち、寺井さんからはフリップを用いてモリアオガエルをはじめとするカエルの分布や生態について分かりやすく解説していただき、吉岡さんからは震災後の里山での生きもの調査についてお話しいただきました。
観察を前に、ながどろひろばで楽しい解説
吉岡明良さん(左)、寺井学さん(右)
生きもののお話に聞き入る子どもたち
続いて、ながどろひろばに隣接する湿地で生きものを探しました。網を手に水辺を探り、オタマジャクシやヤゴ、小さなカエル、ドジョウ、イトトンボの仲間などを次々に発見。子どもたちは講師の案内のもと、気づけば足元が濡れてしまうほど夢中になって生きものを探し、興味深そうに観察していました。
水辺で生きもの探し
イトトンボの仲間を観察
網の中にはなにがいるかな?
オタマジャクシやアカガカエルを観察
地元の方々のご協力により、灌漑用の池や私有地の水たまりでも観察を行いました。水面にせり出した木の枝にはモリアオガエルの白い泡状の卵塊が見られ、池のほとりでは産卵中のモリアオガエルの姿も確認できました。普段はなかなか目にすることのできない光景に、参加者からは驚きの声が上がり、生きものたちの営みに見入っていました。
池のほとりでモリアオガエルを発見
モリアオガエルの卵塊(左)と産卵(右)
産卵の様子を見守る参加者たち
雨が降る直前という、カエルが活発になる天候にも恵まれ、水辺や木の上などあちらこちらに姿を見せるカエルたちに歓声を上げながら、子どもたちはもちろん、大人たちも束の間の童心に返り、長泥地区の豊かな自然の中で生きものたちとのふれあいを楽しみました。
間近で観察を楽しむ子どもたち
樹上のモリアオガエル
参加した子どもたちからは「カエルがかわいかった」「全部楽しかった」「もう一度参加したい」といった声が聞かれました。また、大人の皆さんからは、「子どもも大人も夢中に楽しめる魅力ある取組に感動しました」「改めて故郷の豊かさと美しさに気づけた気がします」「自然観察とあわせて環境省の取組を知ることができて良かった。また長泥を訪れたいと思います」といった感想が寄せられました。
この日の記憶や体験が参加者の心に原風景として残り、再び長泥地区を訪れ、地域や人々とのつながりを深めるきっかけとなれば幸いです。
環境再生プラザでは、引き続き、自然観察会などの体験型ワークショップや見学会を通して、地域の魅力や環境再生の今を発信してまいります。