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環境省は福島の再生のために、県・市町村とともに除染活動に取組んでいます。今回は、常磐自動車道の除染作業終了を受け、除染に携わった方々の声と作業の様子についてレポートします。

除染作業の終了した常磐自動車道の開通が福島復興の推進力になる。

平成25年6月、福島県浜通りを縦貫する常磐自動車道の除染作業が終了しました(仮置場整備、除染後モニタリング等は引き続き実施)。県内では、震災により一部建設が中断し、既に開通していた区間も通行止めを余儀なくされていました。環境省は平成24年3月から、除染モデル実証事業を行い、モニタリングと的確な除染を計画しました。同年12月に始まった除染作業が無事終了したことを受け、まず広野ICから常磐富岡IC間で平成25年度開通の見通しです。

除染作業を行った、大成建設株式会社東北支店の常磐自動車道除染工事作業所・現場代理人の白石俊英さんは、作業員の健康・安全管理に最も配慮したと話します。「長期間の作業が想定される中、ひとりひとり被ばく線量を管理し、健康に配慮しながら作業ローテーションを組みました。また、市街地から離れた高速道路での作業だったため、作業用水の確保等で、地元の作業員の方々に情報を提供いただき、円滑に進めることができました」。

今回の除染作業で、作業員の安全性を確保する遠隔操作を用いた法面の植生基材除去や、路面を高圧水で洗浄し、排水を吸引回収する回収型高圧水洗浄が導入されるなど、新技術を開発・活用したことも作業を進める上で大きく役立った、と同作業所・監理技術者の中平淳さんは説明しました。

除染作業と東日本高速道路株式会社による復旧工事が円滑に進むよう調整役を担った、福島環境再生事務所の除染企画官・白戸孝さんは、浜通りのインフラ整備やその準備のために常磐自動車道は不可欠という認識を示しました。多くの県民が期待を寄せる常磐自動車道の開通は、浜通りだけでなく県全体の復旧・復興への大きな推進力となるでしょう。

常磐自動車道路の除染の進捗状況の詳細は、WEBサイトをご覧ください。


遠隔操作で法面植生基材の除去を可能としたセーフティークライマー工法。


高圧水洗浄と同時に排水を吸引回収する回収型高圧水洗浄を導入。


除染作業に従事した大成建設株式会社の白石俊英さん(左)と中平淳さん。


広野町から南相馬市までのべ45kmのうち約21kmで除染を行った。

福島再生vol.53 常磐自動車道 PDFリンク

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