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くだもの王国・福島が誇る果実加工品のあんぽ柿が、昨年12月初旬にJA伊達みらいから、3年ぶりに出荷再開されました。原料柿では放射性物質の数値が低くても、乾燥工程で濃縮されるため、一昨年まで各自治体で出荷を自粛していました。福島県あんぽ柿産地振興協会による昨年秋のモニタリング検査の結果、原料柿の数値が基準値以下だった伊達市梁川町、国見町と桑折町の一部が加工再開モデル地区として認定され、生産者が加工作業を進めてきました。
贈答品として需要が高まる同月半ば、出荷作業を支援するため、25名の環境省ふくしま復興サポーターが伊達市梁川町を訪問して出荷準備と検査作業を手伝い、生産者の思いを共有しました。また、石原伸晃環境大臣と浮島智子環境大臣政務官も、出荷作業中の梁川共選場を訪問し、出荷再開に至るまでの伊達市とJA伊達みらいの尽力を労いました。その後、同市産業伝承館で開催された「伊達市のこれからを考える座談会」に参加し、仁志田昇司市長はじめ、生産者や市民の方々の思いを拝聴しました。JA伊達みらいあんぽ柿生産部会長の宍戸里司さんは「伊達市発祥のあんぽ柿の歴史を誇りに、より良いものを作りたい」と強い思いを伝えました。同JA代表理事組合長の大橋信夫さんは「震災後、組合員で果樹1本1本を除染しました。平成25年度はあんぽ柿を一箱ずつ検査する非破壊検査機器を導入。きめ細やかな全量検査で、安全性を伝えたい」と話しました。
伊達市では除染についてだけでなく、仮置場に対する不安緩和策でも先駆的な事業を行っています。座談会同日、保原町平地区の仮置場の囲いに、福島大学の学生が描いた絵画が掲示され、住民に披露されました。伊達市では、復興へと向かう住民の気持ちをさまざまな取組で支え続けています。