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環境省は福島の再生のために、県・市町村とともに除染活動に取組んでいます。今回は南相馬市小高区の除染作業の進捗状況と、住民のみなさんの思いに応えるJV作業員の様子をレポートします。

小高区住民の強いつながりが、除染作業の推進力になる。

除染特別地域の南相馬市小高区には、39の行政区があります。そのうち金谷・川房・大田和・神山の4行政区は、他の行政区に先がけて、平成25年に除染作業がスタートしました。これは、仮置場の設置がいち早く実現したからです。

小高区役所村田博所長からは、「小高区では仮置場の立地に適した公有地が少なく、私有地を候補地にせざるを得ません。そのため、各行政区長さんにご協力を頂き、まず4行政区で地権者の方々との合意と契約を執り行うことができました。これは、小高区では行政区長さんと住民のみなさんの信頼関係が以前から築かれており、その上で、行政区長さん自らが丁寧に説明して、国との話合いにつなぐことができたからです。このようなご尽力の甲斐あって、その他の行政区でも仮置場の候補地がほぼ決まりました」との説明がありました。

また、同区の除染作業等を担当している大成・五洋・日本国土特定建設工事JVの陣川幸雄主任技術者は、「除染作業を円滑に進めるためには、作業員が、住民のみなさんのふるさとへの思いを共有することが大切です。私たちは、住民のみなさんが将来戻ってくる姿を思い描きながら、日々作業に従事しています。そのために、除染作業の立会いのときだけでなく、相馬野馬追や植樹祭など地域行事へも積極的に参加しています。この1月には除染の進捗状況や除染作業の様子を動画などでお伝えするホームページも作成しました」と話しました。

地域のつながりを推進力に除染が進められる中、今月22日には、同区にある油圧シリンダー製造の三尾製作所福島工場が、本格的な操業再開をしました。坂本正彦工場長は「再開が叶い、感無量です。他の事業所が戻るきっかけになるよう、地域経済再建の先駆者としてがんばりたい」と語りました。自治体と住民のみなさんの協力や、地域に寄り添うJVの姿勢が、同市の除染特別地域での除染を前進させ、住民のみなさんの帰還への気持ちを支えます。


三尾製作所福島工場長・坂本さん。震災前の従業員と新たに加わったスタッフ、計36名で工場を支える。


小高区は行政区長と住民との信頼関係が強い、と語る村田所長。


JV主任技術者の陣川さん(左)と工務・品質・広報責任者の矢田勤さん。


平成25年秋に開催された復興祈願の植樹祭に参加したJV職員。

福島再生vol.62 南相馬市 PDFリンク

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