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10月5日、川俣町山木屋地区で稲刈りが行われました。
同地区の避難指示解除準備区域では、平成24年に除染が終了した田んぼで試験栽培を始め、同25、26年に出荷の可能性を探る実証栽培を行いました。これまで収穫された米は全量全袋検査の結果、食品衛生法の定める基準値(1㎏あたり100ベクレル)を大きく下回り、安全性が確認されました。今年収穫した米は、震災後初めて、5年ぶりに出荷されます。
同地区の営農組合から委託されている本田勝信さんの田んぼ60アールで、古川道郎町長、組合をはじめ川俣町の関係者の皆様、環境省から望月義夫大臣(当時)、小里泰弘副大臣(当時)が参加して稲刈りが行われました。コンバインや鎌で稲を刈り、ひとめぼれ約2.5トンを収穫しました。
川俣町内の仮設住宅から、妻の安子さんと田んぼに通い、稲の生長を見守ってきた本田さんは「収穫量は予定より少ないが、味は良いと思います。販売できることをうれしく思います」と黄金色に実った稲の収穫を喜び、「多くの方々に食べていただけるよう、作付面積を増やしていきたい」と今後の希望を語りました。
古川町長は「見事な米が実り喜びもひとしおです。皆様の支援を受けながら、山木屋地区の復興、町の再生に向けて今後も全力で取り組んでいきたい」と語りました。コンバインに乗り稲刈りを体験した望月前大臣は「自ら植えた苗が実り、刈り取りができて本当に良かった。山木屋地区全域での営農再開に向け、除染を全力で実施し、風評被害の払拭にも取り組んでいきます」と述べました。
今回収穫された米は、全量全袋検査を行い、食品衛生法の基準値を下回れば、主に東京都内で販売し、環境省など関係機関にも届けられる予定です。
環境省は、福島県民の皆様のご理解とご協力の下、関係機関と連携して除染を進め、再生と復興に向けた地域の取り組みを後押ししていきます。
居住制限区域に指定されている浪江町酒田地区で10月13日、稲刈りが行われました。今年、収穫された米は、震災後初めて販売されます。
酒田農事復興組合の松本清人さんの田んぼで行った稲刈りには、組合員の皆さんや馬場有町長らが参加しました。馬場町長と共に稲を刈った松本さんは「安全性を理解していただくことが重要。安心しておいしく食べていただきたい」と話しました。
収穫した米は全量全袋検査で安全性を確認したのち、JAや、浪江町を支援する小売店、大学生協などを通じて販売されます。