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鮫川村では、牛の畜産が盛んです。震災以降、牧草の利用を自粛してきた畜産農家の方々は、村から支給される乾燥牧草などを飼育する牛の飼料にしてきました。このような状況の中、村で採草される牧草を牛の飼料として使用するために、今年8月から牧草地の除染を進めています。9月下旬には、村全体の牧草地の約1/3に当たる60haの除染が終了しました。
「村の指導のもと、畜産農家さんにもお手伝いいただき、放射性物質を吸着するゼオライトなどを散布した後、表層の土と下層の土を入れ替える『反転耕』を行いました。除染作業は、牧草の種をまく時期までに終了しました」と農林課の芳賀真一さん。今回、除染後に採草した牧草は、放射性物質の測定で基準値以下であったため、来年以降の牧草地の除染にも期待を寄せているとのことです。
畜産農家の沢口誠治さんは「除染を行った牧草地で、採草することができました。まだまだ震災前の採草量には至らず、100頭近い牛を飼育するには、全体量としては充分ではありませんが、この草を冬場の飼料に使えることに、ひと安心しています」と話します。
鮫川村では、来年、再来年と年間60haの牧草地の除染を進め、全村の牧草地の除染を再来年、終了する予定です。