ここから本文です
長野県更級(さらしな)農業高等学校の2年生145人が、9月25日、修学旅行で川内村を訪れ、村の主要産業である農業現場の視察や復興に向けた村の取組を学び、村民の皆様と交流しました。
遠藤雄幸村長は、「皆さんの訪問は本当にうれしく、心から歓迎します」と挨拶し、「村の現状と課題」というテーマで、「選択、判断、自立」をキーワードに、村民帰村に向けた村の取組について説明しました。
その後、生徒たちは、米の有機栽培に取り組んでいる秋元美誉(よしたか)さんの水田を見学し、収穫間近の稲に触れました。秋元さんは自ら取り組んでいる合鴨(アイガモ)農法などを説明し「自信と夢を持って農業に取り組んでください」とエールを送りました。川内村では昨年から米の出荷を再開しています。続いて、昨年4月にオープンした、株式会社KiMiDoRiが運営する「川内高原農産物栽培工場」を見学し、最先端の技術で栽培されたレタスやルッコラなどを試食しました。
同校の修学旅行先は例年沖縄県でしたが、今年は学年担任の教諭が東日本大震災の被災地への訪問を生徒とPTAに提案し、宮城県南三陸町と川内村への修学旅行が実現しました。昨年10月には同校の文化祭で川内村の農産品を販売するコーナーを設け、義援金を集めました。
この日、生徒代表の荒井葵久恵(きくえ)さんが義援金を川内村に寄贈し、復興に向け精力的に取り組む村を後押ししました。荒井さんは「村が復興している現状を実感できました。自分の目で見たこと、感じたことを長野に帰って多くの人たちに伝えたい」と感想を述べました。引率した今溝秀雄教諭は「農産物の風評被害と戦いながら、復興に向けて頑張っている被災地の姿を見て、生徒たちに生き方を考えて欲しいと企画しました。学んだことは多かったと思います」とふり返りました。
同村では、国による除染特別地域の除染が今年3月末に終了し、帰村のための施策が継続されています。この10月1日には避難指示解除準備区域の避難指示が解除されるとともに、居住制限区域が避難指示解除準備区域へと変更され、また一歩復興に向けて前進しました。
国は、今後も各自治体と協力し復興に向けた地域の取組を後押ししていきます。