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7月24日、南相馬市小高区で、「相馬野馬追」の行事の一つ「火の祭」が行われました。この祭りは、相馬野馬追の2日目に地元へ凱旋する騎馬武者を迎え入れるため沿道に多くの火の玉(かがり火)を掲げる伝統行事です。
東京電力福島第一原子力発電所の事故後、避難指示が出され、祭りは中止していました。これまで同地区において除染が進められ、宅地等の除染が一定程度終了し、線量の低下やインフラ整備、地元の意向をふまえて避難指示が一部解除されたことから、小高区で「火の祭」が行われることになりました。
相馬野馬追の執行委員長を務める桜井勝延南相馬市長は、「火の祭」を前に「住民の皆様にとっても心がうきうきし、なごむ、なんとか復興していこうという気持ちになるのではないかと期待しています」と話されました。
自宅にある絹を使って友人と共に火の玉を作った松本さん夫妻は、「子どものころから親しんでいた祭りが復活できてうれしいです。多くの若い人たちが故郷に戻り、みんなで祭りを盛り上げることができれば」と未来へ繋げていくことに期待を寄せていました。
住民の方々の努力によって再開した「火の祭」当日、会場では火がともされた玉が周辺をおごそかに照らし、フィナーレでは4000発の花火が打ち上げられました。人々は、幻想的な光景を目に焼き付けていました。
環境省は帰還される方々をはじめ地元住民の方々が安心して暮らせるよう、平成29年3月までに除染実施計画に基づく面的除染の完了を目指し、農地・道路等、生活圏の除染を続けてまいります。