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福島市内で2月11日、「みんなでこれからを考える『ポジティブカフェ』」が開かれました。県外を含め、150名を超える参加がありました。
この日のテーマは「さまざまな思い・取組みを知る 受けとめる 伝える」です。第一部では、浜通りを中心とした地域での活動内容や、そこから得られた経験、課題などを提供していただきました。続く第二部では、福島大学の開沼さんをファシリテーターに迎え、ディスカッションを行いました。
ゲストコメンテーターとして参加した相馬中央病院の越智さんが口火を切り、「情報は、その受け手に役立つからこそ伝える意味があるもの。数値など静的な情報だけでは、地域内外の方々にとって本当に必要な情報にならないのではないか」と問題提起しました。
川内村商工会の井出さんは、「川内ってどんなところだろう?行ってみたい」というモチベーションにつながる発信こそが必要と発言しました。うみラボの石井さんは、「行政や事業者ではない自分たちのような第三者が測った魚の放射線のデータを知ってもらい、感じたままをさらに発信してもらっている」と紹介。南双葉青年会議所の小野田さんは、「事業を再開している人もあり、その元気な姿を県外に伝えたい」と意欲を語りました。
また、誰にどんな情報が届いていないかという質問に対し、ふくしま子ども支援センターの松村さんは、そもそも「情報」より、話を聞いてほしいという母親の声を代弁しました。未来会議の菅波さんは自身の活動を振り返り、「前向きな参加者が増える一方で、不安を口にしづらくなっている人がいるので、不安を語ることのできる場が重要」と訴えました。
この日、会場には関東や関西からの参加もあり、様々な課題を様々な立場で共有する場となりました。ディスカッションを受け、会場からは、福島の放射線について情報を知ることや話すことのできる機会がとても少ないという高校生の意見や、県外からの視点をもっと取り入れて県内外の方と議論を深めていくべきではないかという意見がありました。
開沼さんは、「県内外に根強く残る不安に対し、主観的な『正義』というより、客観的な『ファクト』に根差して活動している人たちがたくさんいる。そういったファクトこそ分かりやすく伝えていくべきだ」と締めくくりました。
除染情報プラザでは、今後も地域内外の方々とのコミュニケーションを続けてまいります。
放射能への不安の捉え方で人々は分断されてしまう。
「ポジティブカフェ」も、不安と折り合いをつけて生きている人が参加しやすくできればと思います。
海はつながっているため、魚の情報の伝え方には神経を遣います。第一原発付近も含めた魚介類のデータをきちんと示すことで、測定結果を知ってもらい、考える材料にしてもらえたらと活動しています。
情報は無関心な人には届きません。関心人口を増やすことが大切。その上で情報が必要な人にしっかりと届くということが大切と思います。
不安は残りつつも、双葉郡で事業を再開している人もいます。青年会議所としては、そうした人に寄り添いながら、元気な姿を広く発信していきたい。
よそから来た分だけ魅力を発見しやすい立場にいます。わからないことがあっても世代を超えて一緒に考えていけるように、若い世代の横のつながりもつくりたい。
不安の低減だけでなく、将来への希望を伝えられるような活動を続けていきたい。放射線についても、時間とともに線量が変わってきていることを知ってもらいたい。
地域の活性化には子どもが欠かせません。地元産の野菜でジャムを手作りするような、元気な子どもたちの活動に、自分も積極的に入り込んでいます。
正しい情報を得ることでママたちの安心感が増すのは確か。少しでも不安を低減できるよう情報提供ができたらと思い活動しています
静的な数値だけでなく、プロセスや感情など、動的な情報を伝えることが重要。福島の現状を伝えることは、日本全体のためにもなるはずです。
「福島はアブナイ」といった先鋭化した不安が根強く残っている。ファクトとしての「正しさ」を、わかりやすく伝えていく余地がまだまだあると感じます。