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東京国際フォーラムで10月17日、「ふくしま避難者交流会」が開かれました。福島県から首都圏などに避難されている方々に交流いただくことと、情報をお伝えすることを目的として福島県が主催しました。(共催:公益財団法人さわやか福祉財団、東京都)。2011年度から毎年行われ、今回で5回目を迎えました。
交流会に参加したのは福島県の10市町村から避難されている約70名。久しぶりに顔を合わせる同郷の知人らと、日々の暮らしや、故郷の事を語り合いました。
交流会では、はじめに福島県避難者支援課から福島県の復興に向けた取組状況が説明され、その後、内堀雅雄福島県知事が挨拶しました。内堀知事は「復興が進んできたとはいえ、まだまだという実感をお持ちだと思います」と避難者の方々の心情を思いやり、「国と県、そして各自治体が一緒になって、復興を前に進めていきます」と決意を新たに語りました。
さらに内堀知事は、テーブルを一つ一つ回り、現在の暮らしや復興への願いに熱心に耳を傾け、参加者と対話しました。都内で避難生活を送る楢葉町の女性は、「知事が話を聞いてくれるのはありがたい。復興予算を実のある生活再建に生かしてほしい」と希望を述べました。
避難者の方々との対話を終えた内堀知事は、「4年7カ月という長期にわたり避難生活を強いられている皆さまの辛さを実感しました。また、地域によって状況はまちまちで、さまざまな葛藤があることも感じました」と語りました。
また、ロビーでは、避難者支援や住宅支援、医療・健康に関する15の団体や自治体が個別ブースを設け、避難されている方々などからの相談に乗っていました。
除染情報プラザでは、放射線に関する相談に対して青木仁アドバイザーが対応しました。除染情報プラザは日頃から、除染や放射線についての正しい情報をお伝えするため、高い専門性や豊富な経験を持つ専門家を市町村や町内会、学校などに派遣しています。
青木氏は「県内在住の方は、除染や放射線に関する知見に接する機会が多いが、情報が少ない県外避難者の方には、このような機会をとらえ、積極的に情報をお伝えするようにしています」と話しました。相談コーナーには、都内に避難している方々の支援を行う東京都の職員が訪れ、避難者の方に故郷の現状を知っていただくツアーの内容について相談する場面もありました。
同日、東京国際フォーラムの別会場では、福島県の魅力を発信する「ふくしま大交流フェア」が開催され、県内の約100団体が、県産の農産物や水産加工品、ご当地グルメの販売や観光案内などを行いました。
除染情報プラザも福島県内メディア8社でつくる「ONEふくしま」とともにブースを出展し、福島の除染や復興の取組について情報発信を行いました。