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環境省は、今年3月から福島県内の除染土壌等の一部を中間貯蔵施設の保管場へ運ぶパイロット輸送(試験輸送)を開始しました。その一環として児童の夏休み期間を利用し、県内5つの小学校から実施しています。
このうち、郡山市の中心部に位置する薫小学校は、除染土壌等を校庭に埋設していました。輸送に先立ち、7月23日、郡山市による掘り起こし作業が始まりました。
夏休み期間中に特設クラブの活動等で登下校する児童や周辺住民に配慮し、立入防止のためのフェンスで囲った校庭では、約50㎝の覆土を取り除いた後、除染土壌等を重機で掘り起こし、大型土のう袋等に詰め込みました。現地を視察した品川萬里市長は「周到に計画されており、考え得る最善の工程が組まれた。原状回復への第一歩にしたい」と話していました。
中間貯蔵施設の保管場への輸送は、7月29日にスタートしました。10tダンプトラックを使い、郡山インターチェンジを経由し、東北、磐越、常磐の各自動車道を利用して輸送が行われました。輸送作業は8月6日に終了し、全量を搬入しました。
薫小学校の小林伸行校長は「整然と作業が進められ無事に終了して本当に良かった。除染土壌等が学校から搬出され、改めて安心感が増しました。酷暑の中、作業に取り組んでいただいた皆さんに感謝しています」と感想を述べました。今後、学校便りにより、作業の経過などを児童と保護者等に報告する予定です。小林校長は「子どもたちは、これまで以上に元気に安心して校庭で遊べると思います。また、今回のことを通して、多くの人たちの協力やつながりによって支えられていることを子どもたちに学んでほしい」と話していました。
環境省は、福島県民の皆様のご理解とご協力の下、関係機関と連携し、安全で確実な輸送を行い、早期搬出に向けて全力で取り組んでいきます。