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8月14日、「大波みらいアートプロジェクト」の除幕式が、福島市大波地区にある休校中の大波小学校で行われました。式典では、住民と著名漫画家が共同制作した巨大絵画が披露されました。
絵画は、趣旨に賛同した漫画家の原秀則さんと中原裕さんの作品です。野球のように住民一丸となったチームプレイによる地域の復興を応援しようと、野球漫画の登場人物を描きました。その背景を地域のシンボルである大波城趾のひまわりの絵が飾っています。漫画家お2人からの激励に応えるように、ひまわりは住民自ら、復興への祈りをこめて描きました。
大波地区は、市内でもいち早く除染が始まり、既に住宅と道路の除染を終えています。そこで、避難のために地域を離れている子どもたちが戻ったときに、励ますことができるようにと、住民が主体となって、地域の未来を考えるアートプロジェクトが、今年3月に発足しました。
同プロジェクトは、住民グループ「ビックウェーブEC11」の皆様が牽引。キャプテンを務める阿部光明さんは、「この絵画を地域住民が前に進むためのきっかけにしてほしい。これを見て、頑張ろうと思う心の支えになればいいですね」と希望を語りました。福島市除染企画課の阿部和徳課長は「完成した絵画には地域の皆様が団結し未来へ向かう強い気持ちが表れています。この絵画により地域が元気になり、福島のイメージアップにつながるものと思っています。今後も市は、除染を通じて安心して暮らせる故郷を再び取り戻せるよう、全力で取り組んでいきます」と話します。
除幕式には、元中日ドラゴンズ・東北楽天ゴールデンイーグルスの山﨑武司さんも応援に駆けつけました。山﨑さんは、除幕式に先駆け、除染情報プラザに足を運んで除染状況の説明を受けた後、大波小学校の体育館で野球教室を開催。小中学生31名にバッティングのコツなどを伝授しました。指導を受けた中学3年の男子生徒は、「大好きな野球で大波を盛り上げられてうれしい」と語りました。山﨑さんは、「子どもたちには、福島県民らしいやさしさに加えて、逆境を乗り越える強さを持ってほしい」とエールを送りました。
国は、今後も市と協力し復興に向けた地域の取組を後押ししていきます。