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伊達市霊山町の小国小学校で、この7月に震災後初、3年ぶりにプール開きが行われました。夏休みに入った7月末には、学校主催による水泳教室が3日間開かれ、先生たちの指導のもと、児童たちがプールを満喫しました。
同小学校の鈴木久校長は、プール開きが実現したのは、住民の方々と学校を安全な場所にしようという思いを共有してきた結果、と言います。「プール開きだけでなく、この6月初旬には震災後初の運動会も校庭で開催し、子どもたちの表情はどんどん明るくなっています。屋外活動に向けた校舎の清掃活動には、保護者や地域のボランティアのみなさんが、積極的に参加して下さいました。子どもの学習環境を地域で守ろうという意識の高まりだと感じています。住民の方からも元気な声が校舎から聞こえるのが何よりうれしい、との声をいただきました」。
同小学校の校舎とプールの除染は、それぞれ平成23年度に終了しました。伊達市役所・市民生活部理事兼放射能対策政策監の半澤隆宏さんは「小国小のプール再開は、校舎やプールだけでなく、住宅をはじめ、農地や道路なども含めた地域の除染が終了したことも大きいですが、何より放射性物質に関する学習会や、積極的な情報発信による知識の積上げが、地域の理解につながったと思います。市では除染事業だけでなく、住民の思いに応える、包括的な取組が今後は重要だと認識しています」と話してくれました。
水泳教室最終日、児童のひとりは「ビート板を使わずに、クロールを泳げるようになりました」とうれしそうに話しました。送り迎えの3年生の保護者からは、「入学してはじめてプールで泳げるようになりました。屋外活動ができるようになって、ほっとしています」と安堵の声が聞かれました。日焼けした子どもたちの笑顔が、地域再生への大きな力になっていきます。