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郡山市は震災以来、子どもたちの生活環境の除染にいち早く取組んできました。今年4月に市長に就任した品川萬里氏も市政の最重要事項として「子本主義(しほんしゅぎ)」を掲げています。これは、子どもたちが心身ともに健康に成長する環境をつくることが、郡山市の再生と復興には不可欠である、という市政運営を示したものです。郡山市役所総務部危機管理課原子力災害対策直轄室技査の後藤吉美さんは、「除染をきちんと進めると同時に、子どもたちが思い切り活動できる環境づくりも大切です。園児や児童の運動能力の回復と保護者の不安解消のため、屋外遊具の更新など、具体的な事業も始まっています」と各種対策が着実に進んでいることを示しました。
郡山市教育委員会は、震災直後、屋外での活動が制限されるなど自由に遊べる機会が少なくなった子どもたちのために、“のびのび!親子体験事業”を昨年から実施しています。生涯学習部生涯学習スポーツ課課長の鈴木弘幸さんは、「線量の低い地域である湖南町の宿泊施設・少年湖畔の村を活用し、麓山登山、湖岸サイクリング、野菜収穫体験などを行っています。民間団体や地元ボランティアの方々の協力もあり、市内の親子連れの参加者は増えています」と手応えを感じていました。
平成23年12月にオープンした市内の屋内遊び場施設のひとつ、ペップキッズこおりやまも、子どもたちが安心して遊ぶことができる施設として、市が、国や県、民間の支援を受け運営しています。この8月には来場者が56万人を超えました。お孫さん連れの女性は、「育ち盛りの男の子を遊ばせることができて、助かっています」と笑顔で答えました。
子どもたちが思い切り遊ぶことができる環境を行政と住民一体でつくることが、住民の復興へ向かう気運を高めます。