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福島市大波地区で3月29日と30日の2日間にわたり、福島県と市、そして同地区主催による「除染サポートボランティア活動」が行われました。この活動は地域のシンボルを後世に美しく残したいという地元住民の要望に応え、県・市・地元が協力団体の支援を受けて実施しました。初日は地区を代表する五つの神社、2日目は大波城趾に、全国からのべ129人のボランティアが集まりました。
大波城趾での活動は、雨のなか行われました。主催者の指導のもと、ボランティアのみなさんは、斜面や林の中に堆積した落葉や枯枝を丁寧に回収しました。長野県から参加した男性は「清掃活動前日には県内の山を散策して、自然を満喫しました」とサポート活動をきっかけとして福島の魅力を発見した喜びを話しました。千葉県から参加の女性は「福島に寄り添う気持ちを風化させないよう通っています」と語り、埼玉県から初参加の女性は「福島のために、女性でも気軽に参加できる活動があることを周囲の人に伝えたい」と応援する気持ちの大切さを語りました。
同地区町会連合会長の佐藤秀雄さんは「私たちにとって大波城趾は、760年以上の歴史的な資産であるとともに、毎年春祭りを開催してきた大切な交流の場です。震災から3年経っても多くの方がボランティアに参加してくださるのはありがたい。福島の様子をご自身の地元でも伝えていただければ、県内外の交流につながり、心強い」と感謝の気持ちを表しました。
福島市除染推進室主査・菅野悟史さんによると、大波地区は住宅・農道・道路などの除染が終わり、住宅に隣接する森林など生活周辺環境の除染が昨年秋より実施されています。県と市、そして地元の方々が協力して開催したこの活動により、住民の方々の思いに向き合いながら、除染活動が推進されることが期待されます。