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10月19日に広野町の総合グラウンドで、「ふたばワールド2013」が14年ぶりに開催されました。この祭りは、平成11年まで双葉郡8町村が合同で開催してきた、地域の方々にとって思い出深いイベントです。震災後の避難生活が長引く中、この祭りの再開を望む多くの方の声を受け、双葉地方広域市町村圏組合が地域の絆を取り戻そうと企画しました。当日は、仮設住宅や避難先から多くの方が特別手配のバスなどで来場し、地域で生活する方も合わせると約3000人が集まりました。来場者は、地域物産や各町村の情報発信ブース、郷土芸能のステージを楽しんだほか、無料で振る舞われたふたばワールド恒例・大鍋すいとんの温かなお碗を手に、元気に再会できた喜びを分かち合いました。
広野町は総合グラウンドをはじめ、公共施設や住宅など町内の大部分の除染を終了しています。同町建設課長の松本正人さんは、「広野町では除染が計画通りに進み、町民が安心して生活できる環境が整ったため、会場に選ばれたと考えています。これは町民のご協力をいただき、比較的早期に仮置場を設置したことが後押しになりました。平成24年1月に整地を開始し、今年6月には仮置場全4基が完成しています」と話しました。
祭りの実行委員長で広野町商工会長の黒田政徳さんは、「広野町は除染も進み、町内に住宅を新築された他町村の方もいらっしゃいます。この祭りを機に町に人が増えるように願っています」と話します。子ども向け体験イベントに協力した広野町在住の消防職員・中島徹さんは、離れて暮らしていたご家族が避難先から戻り、娘さんが今年4月に広野小学校に入学した、と家族で暮らす喜びを表します。祭りに参加したひとりひとりの元気な姿が、復興への希望につながりました。