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環境省は福島の再生のために、県・市町村とともに除染活動に取り組んでいます。今回は除染を終え、平成27年春以降の帰町を目指す楢葉町の取組を紹介します。

帰町に向けて、着々と進む生活基盤の整備

避難指示解除準備区域に指定されている楢葉町は、平成27年春以降の帰町に向け、住民生活を支える生活基盤の整備を着々と進めています。

国による除染が平成26年3月末で終了したことを受け、不通区間となっていたJR常磐線広野駅(広野町)―竜田駅(楢葉町)間の8.5kmが、今年の6月、3年3ヶ月ぶりに再開通しました。運行初日の1日には、再開通を記念したイベントが竜田駅で盛大に開催されました。

町は、JR常磐線の再開通に合わせ、楢葉町役場での業務の一部を再開しました。町内で現場業務を担当する、放射線対策課や建設課、産業振興課、環境防災課26名の職員の皆様が常駐し、避難先のいわき市などから常磐線を利用して通勤しています。放射線対策課長の青木洋さんは「国道6号の渋滞の影響を受けずに、通勤できるようになりました。また、町民の皆様からは『町に電車の音が響くようになって本当によかった』という声を聞き、安心しています。これからも町民の皆様にさらに安心感を持っていただけるよう、現場での業務を充実させたい」と意欲をみせています。

また、帰町を促進するうえで鍵となる交通網の整備とともに、商工会と協力し、商店等の事業再開にも取り組んでいます。楢葉町商工会が中心となり昨年から準備を進めてきた、商業仮設共同店舗「ここなら商店街」が町役場の駐車場で、7月31日にオープンしました。

入居するのは、スーパー「ブイチェーン楢葉店」と飲食店の「武ちゃん食堂役場前店」、「おらほ亭」の3店舗。出店する事業者の負担を軽減するため、町と商工会のほか、福島県、中小企業基盤整備機構が共同で支援しています。ブイチェーン楢葉店をオープンさせる根本茂樹さんは「不安もありますが、顧客のニーズに応えられるように頑張っていきます」と話していました。準備を進めてきた楢葉町商工会事務局長の斉藤香さんは「町を訪れる方々には、ぜひ利用して頂きたいと思います。事業を再開する事業者を引き続き支援し、町の復興を全力で推進していきます」と意欲をみせていました。

国は、今後も町と協力して帰町に向けた取組を後押ししていきます。


記念イベントには町のキャラクターであるゆず太郎も参加し、約100名の町民の皆様を駅のホームに出迎えました。


3年3ヶ月ぶりに本来の役場で業務を一部再開。町の早期復興に向けて業務に取り組む放射線対策課の皆様。


7月31日にオープンした「ここなら商店街」。楢葉町復興の一助として期待が高まっています。


多くの方々に商業仮設共同店舗を利用してほしい、と話す楢葉町商工会事務局長の斉藤さん。

福島再生vol.70 楢葉町 PDFリンク

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