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環境省は福島の再生のために、県・市町村と共に除染活動を続けてまいります。今回は、子どもたちの健康を最優先に考えて、除染に取り組んだ郡山市のレポートです。

再生に向け、子どもたちの生活圏を最優先で除染。

郡山市は、東京電力福島第一原子力発電所の事故発生直後から、早くから除染に取り組んできました。

子どもたちの健康を守ることを最優先に、平成23年度は教育・保育施設、公園などの表土除去を実施しました。この結果、表土を除去した小学校の校庭では、翌年に例年通り運動会が開催されるなど、子どもたちが安心して屋外で活動できる環境が整いました。今年度は、学校のプールや校舎屋上、放射性物質が蓄積しやすい側溝や雨水ますなどの除染を行い、子どもたちの生活圏の放射線量の低減化を継続して進めています。

このように子どもたちの生活圏の除染を最優先で進めるとともに、小中学校や保育所などの給食については、放射性物質の検査を毎食ごとに行い、食の安全確保に努め、子どもたちが健やかに成長できる環境づくりに取り組んできました。

また、子どもたちの生活圏以外も、市民の方々が安心して生活できるようにするために、住宅や事業所などの除染にも計画的に取り組んでいます。除染を行うにあたっては、効果的で効率的な除染方法を検証するため、平成24年6月から8月にかけて、池ノ台地区の107件の住宅等を対象にモデル除染を実施しました。

「このモデル除染で得られた検証データに基づき、現在、今年度中に発注した19140戸の住宅の除染を順次進めています」と、郡山市原子力災害対策直轄室次長の吉田正美さん。この地区の除染作業にあたる郡山市除染支援事業協同組合の工区業務責任者の小野寺一夫さんは、「積雪の影響で除染作業が遅れていますが、住民の皆さんとコミュニケーションを図り、1日も早い除染の終了に向けて頑張っています」と、作業員の方々の思いを話します。

吉田次長は、「今後も放射線に対し『恐れず、ひるまず、侮らず』という考えを持ち、市民の皆さまを守るために最大限の努力を続けていきます」と話します。郡山市は、住宅等の除染について、平成27年度までに10万件を超える件数を計画しています。


池ノ台地区の住宅で実施されたモデル除染に立ち会い、除染方法の効果などを確認する原正夫郡山市長(左から2人目、平成24年6月撮影)。


住宅除染において、洗浄水を吸引できる吸引式高圧洗浄により、地面のコンクリート洗浄作業を行う作業員の方々。


学校給食に使用する食材と、調理後の給食の放射性物質の検査を行っており、検査結果は、市のウェブサイト等で公表している。


表土除去を実施した校庭で行われた運動会で、元気にかけっこをする開成小学校の子どもたち(平成24年5月撮影)。学校のプールや側溝などの除染を継続して行い、子ども空間のさらなる放射線量の低減化を進めている。

福島再生vol.36 郡山市 PDFリンク

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