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環境省は福島県内の自治体とともに、福島の再生に取り組んでいます。今回は、子どもたちが放射線や除染の現状について知り、自分の言葉で語ることができるように様々な機関が連携した取組を紹介します。

ふるさとのことを知り、伝えていくために。

10月14日、相馬市立中村第一小学校で相馬市と除染情報プラザ協力のもと「除染と放射線についての授業」が行われました。学校では、児童が放射線などについて基本的な理解を深め、心身ともに健康な生活を送ること、自ら考えて判断し、行動する力を育むことを授業の目的としています。また、学校と相馬市は、放射線の基礎知識だけでなく、地域の除染についても理解を深めてほしいという共通の思いを持っていました。

授業の講師は、除染情報プラザの専門家と相馬市放射能対策室の佐藤英光室長補佐がつとめました。児童は、放射線の測定方法を教わり、校庭に出て測定をしました。教室に戻って放射線の基礎知識、測定した線量の意味、相馬市で行われている除染や仮置場の安全性について学びました。担任の先生は「今日の授業で体験した事を、ぜひおうちの方にも伝えてください」と呼びかけていました。

除染情報プラザは、これまで、除染や放射線に関する正しい知識を得るためのサポートをしてきました。その一環で、このような教育機関や自治体等と連携した取組も行っています。

10月27日に川俣町立飯坂小学校で行われた授業では、川俣町原子力災害対策課の坂井将哉主事が講師をつとめました。県外から同町に出向している坂井主事は「出向元へ戻ったら、放射線や福島県内の現状を伝えていきたい」と語っていました。

7月20日には相馬市立磯部小学校で児童向けの授業だけでなく教員向けの研修を実施しました。除染情報プラザは、紙芝居を使った授業の紹介を行いました。参加した教員からは「児童にわかりやすく伝えられる教材で、今後活用していきたい」といった感想がありました。

7月1日、西郷村立羽太小学校では、保護者と地域住民向けの講座を行いました。その中では「将来、子どもたちが福島について自信と誇りを持てるように、大人が放射線などについても正しい知識を身につけ、伝えていく事が大切だと感じた」という意見がありました。

こうした中、新たな動きも生まれています。葛尾村立葛尾小学校の6年生では総合学習の中で「葛尾村の語り部になろう」というテーマを掲げ学習を進めています。児童が、ふるさとについて正しく語れるようになることを目標に、原発事故による避難のため一度も通う事のできなかった葛尾小学校(本校)を見学したり、村の歴史とともに、村長から震災時や震災以降のお話を聞き、除染や放射線についても学びました。そして12月3日、郡山市のビッグパレットふくしまで行われた「ふるさと創造学サミット」では他の学校とともに葛尾小学校児童による発表が行われました。

除染情報プラザでは、今後も福島のいまを知り、自分の言葉で語ることができる子どもたちを育てる授業のサポートのため、教育機関、自治体等と連携していきます。


磯部小学校の教員向けの研修の様子。


児童に放射線の測定方法を教える相馬市放射能対策室の佐藤室長補佐(写真右)。


「葛尾村の語り部になろう」で葛尾小学校(本校)の教室に入った時の様子。

福島再生vol.104 福島県内 PDFリンク

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