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環境省は福島の再生のために、県・市町村とともに除染活動に取組んでいます。今回は浪江町で4年ぶりに行われた田植えの様子と座談会を紹介します。

営農再開に向け実証栽培4年ぶり浪江町で田植え

除染特別地域として国が(直接)除染を行う浪江町の酒田地区で5月16日、同町では震災後初の田植えが行われました。将来の営農再開に向けた実証栽培として、浪江町と浪江町酒田農事復興組合(以後、組合)が実施しました。4年ぶりとなる田植えをした参加者は「営農再開を町の復興の第一歩にしたい」と、水田を前に期待を込めました。

居住制限区域に指定されている同地区では、平成25年から、国が町と連携し協力を得ながら除染を進めています。田植えが実施された松本清人さん、半谷好啓さんの水田は、町の実証栽培のために除染を終了しました。この日は、農業者を中心に馬場有町長、組合および浪江町農業・農地を考える会(以後、考える会)、の皆様、環境省から井上信治副大臣、浮島智子政務官が参加して、約1.4ヘクタールの水田にコシヒカリと福島県のオリジナル品種である天のつぶの苗を植えました。

田植えを終えた井上副大臣は「除染を終えた田んぼで作業ができ、とても気持ちが良かった。今後も除染をしっかり行い営農再開に向けて力を尽くしたい」と述べました。また、浮島政務官は「皆さんが『うれしい』と言ってくださいました。私もうれしい気持ちでいっぱいになりました。これを契機にしっかりと復興につなげていきたい」と語りました。

4年ぶりに田植えをした松本さんは「素直にうれしいです。町民の皆さんが一時帰宅した時に、青々とした水田を見て心が癒されれば」と稲作を再開できたことを喜び、半谷さんは「安全な米に育ってくれることを祈っています」と話しました。

収穫した米は全量全袋検査を行い、食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回れば、町が実施する風評被害対策イベントなどで利用する予定です。

田植えに先立ち、井上副大臣、浮島政務官は町役場を訪れ、馬場町長、檜野照行副町長、組合員および考える会の皆様と、浪江町のこれからの農業をテーマに座談会を開催しました。

馬場町長は「農業の再生なくして浪江町の再生はないと考えています。今日の田植えを契機に復興に力を入れていきます」とあいさつしました。井上副大臣は「4年ぶりに田植えを行うことができ、喜びもひとしおだと思います。除染と農地の再生を一体化して行うことが大事だと思っています。地元のご意見を伺いながら関係省庁と協力して取り組んでいきます」と応えました。

環境省は、他の省庁や自治体と連携しながら、今後も着実な除染を実施し、復興に向けた地域の取組を後押ししていきます。


4年ぶりの田植えを喜ぶ(左から)浪江町酒田農事復興組合の松本さん、鈴木さん、半谷さん。


農家の方に教わりながら田植を手伝った井上副大臣(左)と浮島政務官(中央)。


座談会で営農再開や復興への思いを語る馬場町長(左から2人目)とそれを拝聴する井上副大臣(右から2人目)と浮島政務官(右)。


座談会に参加した馬場町長、檜野副町長、酒田行政区鈴木区長、浪江町酒田農事復興組合および浪江町農業・農地を考える会の皆様、井上副大臣、浮島政務官。

今号については、動画もあわせてご覧ください。
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