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福島市岡山の鹿島神社では840年続く県の重要無形民俗文化財、「水かけ祭り」が現在まで大切に伝えられています。毎年10月に行われていましたが、昨年は神社敷地内の放射線量が心配され、子どもの参加も多いことからやむを得ず祭りが中断されました。戦時中も続けられた水かけ祭りの中止は、長い歴史の上でも大変まれなことだそうです。
福島市の当初の除染実施計画では、鹿島神社の除染は平成25年度に実施される予定でした。しかし、「これ以上中止が続くと、祭りを守ること自体が難しくなる。今年は何としても実施したい」と、伝統を担う若い世代から声が上がります。
鹿島神社筆頭総代の齊藤功夫さんと総代の木村英雄さんは、今年の祭りの前に除染を実施してもらうため、市役所に何度も足を運びました。
福島市では、このような意見を反映し、地区毎に優先的に除染を行う場所を住民が選び、除染を早期に進める「地区ホットスポット」除染事業で79箇所※を決定しました。鹿島神社も、このうちの一つとして、除染作業が9月下旬から開始されました。
2年ぶりの「水かけ祭り」は10月28日(日)開催されます。「除染してもらった以上、今まで以上に若い人たちと祭りを盛り上げていきたい」とほっとした表情で語る齊藤さんと木村さん。
伝統を通して、地域の人々がつながっていくのです。
※10月15日現在