令和5年3月31日掲載
福島県二本松市について
二本松市は、県都福島市と郡山市の間に位置しており、地勢は、西部の安達太良山麓、阿武隈川が流れる中央部の平坦地、東部の阿武隈地域の3地帯に分類され、東西約35kmに及ぶ広大な市域を有しております。中心市街地は、二本松藩十万石の城下町の風情を今に残す歴史と自然あふれる都市です。
「希望の復興 輝く未来」へ向けて
二本松市は、平成23年12月に「汚染状況重点調査地域」に指定されたことを受け、平成24年10月に「二本松市除染実施計画」を策定し、国が実施した航空機モニタリング調査結果・自動車走行サーベイ調査結果及び市が実施した空間線量率メッシュ調査結果をもとに、空間線量率の比較的高い地区と放射線による影響を比較的受けやすい妊婦、乳幼児、児童、生徒等の生活空間を考慮して、優先順位を決定し、効果的かつ効率的に除染作業を実施してまいりました。
地域住民の協力により、数多くの仮置場が確保されたことから除染作業が順調に進められ平成29年12月には除染作業を完了することができました。
二本松市の自然・観光
日本百名山の名峰「安達太良山」
豊かで美しい自然に恵まれた二本松市は、安達太良山を主峰とする安達太良連峰と信仰や伝説が残る日山や口太山、そして自然豊かな羽山などが連なる阿武隈山系の山々に囲まれており、中央には阿武隈川が流れ、四季折々に違った表情がみられ、安達太良山の上空には、智恵子抄で知られる高村智恵子が愛した「ほんとの空」が広がっています。
磐梯朝日国立公園内にある安達太良山は、日本百名山にも選定されている標高1,700mの山で、奥岳登山口からロープウェイを利用すれば登山初級者でも登れる山となっており、高山植物も多く、秋には山裾に広がる紅葉が見事です。
岳温泉の「ミルキーデイ」
安達太良山の麓にあり1,200年の歴史を持つ岳温泉は、安達太良山の中腹にある源泉から約8キロの距離を40分かけて湯樋といわれる管で引き湯しています。泉質は、全国的に珍しい「酸性泉」で、肌に優しい美肌の湯としても知られていますが、源泉から温泉街まで流れてくる間に、管の中で自然にもみ湯されるため、酸性泉でありながら肌に優しい温泉を楽しむことができます。
この引き湯を支えているのが「湯守(ゆもり)」といわれる源泉の管理人で、週に一度、湯樋に付着した温泉成分の湯花を落とす作業をすることで、普段は透明のお湯が、湯花で真っ白になることから「ミルキーデイ」と呼ばれており、ちょっとしたブームになっています。
歴史を伝える三春の孫桜「合戦場のしだれ桜」
凛としたたたずまいを見せる一本桜や樹齢数百年の古木の桜など、数多くの桜の名所がある二本松市。ソメイヨシノを中心に公園全体を包み込むように咲き誇り、霞がかかったような美しさの「霞ヶ城公園」や桜のトンネルが見事な岳温泉の「桜坂」、三春滝桜の孫桜といわれる「合戦場のしだれ桜」、そして「中島の地蔵桜」は、ライトアップされた桜が田んぼの水面に映り、人気のフォトスポットにもなっております。
なかでも、「合戦場のしだれ桜」は、八幡太郎義家と安倍貞任・宗任兄弟との合戦場に立つ日本最古級の三春滝桜の孫桜といわれる2本のベニシダレサクラで、青空・桜・菜の花のコントラストが見事な景観を見せてくれます。
地域色豊かな歴史と伝統の祭り
金木犀が香り始める10月になると、街全体が祭りの雰囲気に包まれる二本松市では、「二本松の提灯祭り」や「小浜の紋付祭り」、「針道のあばれ山車」、「木幡の幡祭り」など地域色豊かな歴史と伝統の祭りが開催され、県内外から多くの観光客が訪れます。
また、県立霞ヶ城公園で開催される東北の秋を彩る菊の祭典「二本松の菊人形」は、熟練の職人がつくりあげた菊人形や、世界でも類を見ない規模の千輪咲など、華やかな菊が会場全体を彩る二本松の秋の風物詩となっています。
二本松市の味覚
和菓子・玉羊羹
城下町として栄えた二本松市には、老舗の和菓子店も多く、その店ごとの個性豊かな和菓子を楽しむことができます。なかでも、二本松を代表する和菓子といえば、ゴム製の風船を容器とした「玉羊羹」が有名ですが、二本松における「羊羹」の歴史は古く、江戸時代に遡ります。当時は上級武士だけのものでしたが、明治時代以降に徐々に庶民の間にも広まりました。
清酒・ワイン
芳醇で薫り高い二本松の銘酒は、安達太良山源流の水と美味しいお米に育まれ、全国新酒鑑評会をはじめ海外の鑑評会でも高い評価を受けています。
また、東和地域では、二本松市産100%の材料を使用したワインやシードルが製造されており、自然で素朴な味わいで人気となっています。