令和5年9月29日掲載
福島県伊達市について
伊達市は福島県の北部に位置し、県都福島市の北東に隣接しています。東に阿武隈山系の霊山、西には吾妻連峰、北方には宮城県境の山々が遠望できる福島盆地の中にあります。市役所本庁舎のある保原は海抜約50メートルの所に位置し、市の西部を阿武隈川が流れ、市の中心部周辺は平坦地となっており砂質壤土で耕地に適しています。市の南部及び東部には南北に500メートルから800メートル程の阿武隈高地が連なっています。
伊達市の交通体系は市の西部を国道4号とJR東北本線が南北に走っています。また、市の南部を国道115号が東西方向に、市の中心部を国道349号、国道399号が走っています。福島市と宮城県柴田町を結ぶ阿武隈急行の鉄道が、市の中心部を南西から北東方向に走っています。
伊達市の除染
伊達市では、平成23年10月28日に「伊達市除染基本計画(第1版)」を策定し、同年12月28日に汚染状況重点調査地域の指定を受けました。これにより、実施計画に基づく除染作業を平成29年6月に完了しました。
仮置場の設置選定には大変苦労しましたが、地域住民の協力により造成し、安全に廃棄物を保管することができました。令和4年1月には、保管した廃棄物全量を国の中間貯蔵施設へ搬出しました。
伊達市の自然
【霊山】
霊山は伊達市のシンボル的存在で、標高825メートルの秀峰は四季折々の美しい表情を見せてくれます。山頂の東物見岩からは太平洋を望むことができ、四季を通じて登山客が訪れます。10月下旬から11月初旬に最盛期を迎える紅葉シーズンには「霊山紅葉まつり」が催されます。奇岩と色とりどりの鮮やかな紅葉は絶景です。初心者でも登りやすいトレッキングコースが整備されているので安心して歩けます。
平安初期(859年)、慈覚大師により開山され、南北朝期には、南朝の忠臣北畠顕家が義良親王(後の後村上天皇)を奉じて陸奥の国府を開いたことは歴史上有名です。しかし、1347年北朝との激しい戦いの末、落城。以来、六百数十年を経た今日、霊山城跡および霊山寺跡は学術的な調査の手も加えられないまま深く埋もれています。
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伊達市の食
寒暖の差が大きい気候と肥沃な大地から、桃、ぶどう、柿、いちごなどの果実類やきゅうりなどの野菜類など、伊達ならではの新鮮で旬な食材が栽培されています。
【桃】
市の代表的な特産品として全国に知られる「伊達の桃」は、光センサーによって糖度や大きさ、色の付き具合で選果されます。7月初旬から10月下旬までさまざまな品種が出荷され、ふるさと納税でも人気を博しています。
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【あんぽ柿】
あんぽ柿は、自然豊かな気候風土と伝統の技が生み出す伊達の冬の味覚です。鮮やかなオレンジ色の果肉とトロッとした食感が特長で、市の代表的な特産品として全国的に知られています。2023年にはGI(地理的表示保護制度)に認証登録され、ブランドのさらなる発展が期待されます。
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【きゅうり】
4月から11月までの長期間出荷されており、中でも夏秋きゅうりは全国1位の生産量を誇ります。
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【いちご】
クリスマスシーズンから6月まで出荷され、福島県内1位の生産量を誇ります。「とちおとめ」をはじめ、たくさんの品種が栽培されていて、2022年に登場した福島県オリジナルの新品種「ゆうやけベリー」の栽培にも力を入れています。
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【伊達鶏】
独自の飼育法、飼料、飼育日数で大切に育て、肉のこくとうまみを引き出しました。シャモやカシワよりも柔らかく、ブロイラーよりも歯ごたえがあり、独特の食感が特長の伊達市のブランド鶏です。
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伊達市のまつり
【霊山太鼓まつり】
伊達には地域に伝わる伝統を継承するまつりや、市民の力で地域を盛り上げる新しいまつりがたくさんあります。
このうち霊山太鼓まつりは、町内各地の太鼓保存会が参加します。短く太い桐のバチを高々と上げ、350年以上の歴史がある霊山太鼓を勇壮に響かせます。全保存会が一斉に打ち鳴らす「同時打ち」は迫力満点。会場の熱気が最高潮に達します。
開催時期:8月
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伊達市の歴史
1189(文治5)年、奥州合戦で戦功をあげた常陸国の中村氏は、恩賞として源頼朝から伊達郡を与えられ、姓を伊達氏に改めました。初代朝宗が高子岡に舘を構えて以降、400年にわたり伊達を本拠地としました。
鎌倉期には伊達地方の各地に一族が根を下ろします。室町時代には伊達氏の勢力拡大とともに、歴代の当主が京に度々上洛し、室町幕府との密接な関係を築きました。伊達氏の本拠があった梁川城周辺には、梁川八幡神社、輪王寺、東昌寺など、伊達氏ゆかりの寺社が建立され、南奥州の拠点として栄えました。
2019年には「伊達氏梁川遺跡群」として伊達氏館跡(梁川城跡)などが国史跡に指定され、2022年に「堂庭遺跡」「岩地蔵遺跡」が追加指定されました。東北地方における中世国家の成り立ちを探ることにおいて、重要な役割を示しています。
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