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トップページ > 除染実施区域(市町村除染)の概要・進捗 > 除染措置完了市町村について > 茨城県北茨城市のレポート

茨城県北茨城市のレポート

平成27年1月29日掲載

茨城県北茨城市について

北茨城市は、茨城県の最北端に位置する人口約4万4千人規模の市。南側は高萩市、北は福島県いわき市と接する。東京都から宮城県を結ぶJR常磐線・国道6号・常磐自動車道が市内を縦断しているため、県内外からのアクセスもよい。特に県境を越えた福島県いわき市小名浜までは25kmと近く、いわき市との関係も親密で、観光等の交流人口も大きい。同市の約80%は森林であり県立自然公園に指定されている花園渓谷では四季の美しい自然を楽しめる。また、市の東側に広がる海岸は県内有数の景勝地であり、特に、日本近代美術の発展に貢献した思想家、岡倉天心が居を構えた五浦(いづら)海岸は、「日本の渚百選」、「日本の音風景100選」、「日本の白砂青松100選」*等に選定されている。

除染実施計画に基づく除染措置完了
平成26年3月

平成26年3月には、「岡倉天心旧宅・庭園及び大五浦・小五浦」が、「名勝地」・「遺跡」の双方で国の登録記念物に登録された。登録記念物への登録は、茨城県内では初めてであり、重複登録は全国2例目となる。崖の上に連なるクロマツ林や波に浸食され形成された地形は、自然が生んだ芸術と評され絶好の写生スポットとしても知られている。また、茨城県内随一の施網(マキアミ)漁港として知られる大津漁港や底引き漁が盛んな平潟漁港では、アワビ、ウニ、アンコウ、ヒラメ、タイ、イワシ、アジ等の新鮮な魚が獲れる。漁港付近には、温泉が湧き、民宿・旅館が立ち並ぶ観光の名所でもあり、県内外から多くの観光客が、新鮮な海の幸と温泉を求め北茨城市を訪れる。

福島県との県境に位置し、山海の自然に恵まれた北茨城市に、市が取り組んだ除染の努力を聞いた。

* 日本の渚百選…「海の日」が国民の祝日として制定されたことを記念して、大日本水産会等で作る選定委員会が、平成8年に発表した100の渚。
 日本の音風景100選…環境庁(当時)が公募により選出した未来に残したい音風景の百選。 音環境を保全する上で特に意義があると認められる100件を選定。
 日本の白砂青松百選…社団法人・日本の松の緑を守る会が選定した、100箇所の日本の景勝地。

独自に放射線対策基本方針を定めいち早く除染に着手。
空間線量率の測定結果に基づき合理的に除染を進める。

北茨城市は、子どもの安心・安全を確保するため、早急に汚染状況を把握し、速やかに除染等の措置を行うことを目的とし、市独自で、平成23年4月から、学校をはじめとした子どもの生活に関連する施設のモニタリングに着手した。また、同年10月には「北茨城市における放射線対策の基本方針」を定め、早急に除染を開始した。また、平成23年8月に国が行った航空機モニタリングの調査結果および、市による市内各地での測定結果等を踏まえ、汚染状況重点調査地域として指定を受けた。その後、「北茨城市除染実施計画」を平成24年4月に策定した。

「北茨城市における放射線対策の基本方針」に基づく除染は、市のモニタリングにより、毎時0.23µSv**を上回ることが確認された小学校を、子どもの安心・安全に配慮し、冬休み期間中である平成23年12月に実施し完了した。その他、保育所1施設、学校2施設の除染を行った。さらに、放射性物質汚染対処特措法(以下「法」という。)に基づき、小学校2施設、公園・スポーツ施設7施設、住宅67箇所、その他の施設6施設、道路700mの除染を実施し、平成26年3月末までにこれを完了している。
同市は、対象敷地内の詳細な放射線マップを作成した上で、放射線量が高いスポットを中心に適切な作業を選択して合理的かつ効果的な方法で除染作業を進め、さらに除去土壌等の発生抑制等にも努めた。

除染実施後の各施設における平均的な空間線量率は、学校等の子どもの生活に関連する施設については、平成26年11月末時点で毎時0.10µSvを下回っている。現在も月に1回の頻度で、定期的にモニタリングを継続しており、その結果を市のホームページや広報紙で公表し、住民の不安の解消に取り組み、積極的な情報公開に努めている。
** µSv…マイクロシーベルト

住民と向き合い対話の上で進められたリスクコミュニケーション。
福島との県境に位置する自治体特有の住民不安の解消に努める。

福島県と隣接する北茨城市では、原子力発電所事故直後、県境に位置するという理由もあり、住民から様々な不安の声が上がった。そこで市は、空間線量率の測定結果をもとに科学的な知見から市の状況を住民に説明、さらに放射線に関する正しい情報の提供に積極的に取り組み、住民の不安解消に努めた。平成23年10月には、市で作成した放射線に関するハンドブックを全戸配布するとともに、住民への放射線測定器の貸出しを行い、不安を訴える市民には随時立ち会いのもとで測定を実施し測定結果の説明を行った。さらに、茨城大学や筑波大学等から専門家を招聘し、地区ごとに、放射線による子どもの甲状腺がんの影響について講演会を実施し各回200名程度の住民が参加する等、正しい情報の提供と住民理解を促進するリスクコミュニケーションを実施した。こうした市の丁寧な取り組みにより、原子力発電所事故直後の混乱はしだいに解消された。

さらに、給食食材の検査についても、平成23年8月から実施し、現在も継続している。現在は、一食分の給食を測定する全量検査の他、検査実施日に入手可能な関東・東北地方産生鮮食材についても個別に測定を実施している。測定結果は、市のホームページで公表し子どもの安心・安全の確保に努めている。

この他、地下水や公共用水域および土壌中の放射性物質の濃度検査、自家栽培された農作物の濃度測定ついても実施し、その結果をホームページと広報紙等で、適宜公表を行っている。

積極的なPRで津波による漁港の被災、風評被害を乗り越える。
主要産業である漁業再生に向けた市の取組。

北茨城市は、茨城県内随一の施網漁港として知られる大津漁港と、県内随一のアンコウの水揚げを誇る平潟漁港、2つの豊かな漁港を有する。しかしながら、両漁港は、震災発生時に津波や地震により漁船が岸に打ち上げられ、漁港施設や漁協施設が損壊する等、大きな被害を受けた。さらに、原子力発電所事故にともなう水産物の出荷自粛や風評被害により、取引価格の下落や出荷量の減少等の影響を受けた。そこで市は、北茨城産の水産物の安心・安全をPRするため、様々な施策を講じている。平成23年度には、震災前に栃木県から多くの観光客が同市を訪れていたことを受けて、栃木県宇都宮市にアンテナショップを設け、地場産品の安心・安全をアピールするとともに観光客を再誘致すべく観光PRも実施した。この他にも、首都圏を中心に年間100件を超える地場産品のPR活動に取り組んできた。

また、水産物の安心・安全を可視化し風評被害の払拭につなげようと、東北大学生活環境早期復旧技術研究センター石井慶造センター長の協力を得て同大学からの貸与により、「連続個別非破壊放射能システム」を導入。平成26年6月、大津港に検査施設をオープンさせた。この検査機は、長さ約12mのベルトコンベヤー式で、120個の検出器で放射性物質の濃度を自動的に測定することができる。一般的な検査では測定に45分程かかるうえ魚体をミンチ状にするため検査後は食べることができないが、この検査機は、魚を丸ごとコンベヤーに流し1時間に約1400匹の魚を検査することが可能。検査の迅速化により、水産物の鮮度確保、そして、より多くの個体の検査が可能となった。検査施設では、大津港でその日水揚げされた水産物の一部を競りの前に検査し、安全性を確かなものにするとともに、大津漁業協同組合と連携し、漁港を訪れた観光客を施設に誘導、観光客自らの目で安心・安全を確かめることができるよう、見学の機会を設けている。

東北大学から貸与された「連続個別非破壊放射能システム」。大津漁港の検査機を含め国内には4台のみの存在。

さらに、北茨城市の観光協会は、平成26年度11月に「築地市場まつり2014」のメインイベントとして築地市場が実施した「鍋グランプリ」にエントリー。北茨城市の冬の味覚である「あんこう鍋」が、見事優勝し全国制覇を果たした。このグランプリの受賞により、市の水産物のブランド力の向上と、「あんこう鍋」を食しに市を訪れる観光客の増大が期待される。

築地市場主催「鍋グランプリ」で優勝した北茨城市の「あんこう鍋」。水を一切使わず、濃厚なアン肝のコクが味の決め手。

文化芸術や伝統の祭りが交流人口の回復に貢献。
天心が想い 大観が描き 雨情が詠んだ地の観光PRを意欲的に展開。

震災以前は、年間約160万人を超える観光客が訪れていた北茨城市だが、震災後は交流人口が減少し、平成25年度の観光客は約90万人に留まっている。この状況を受け市は、豊かな自然、歴史や芸術等の文化を観光資源として活用し、交流人口の回復に努めている。

大津漁港ほど近い海岸、五浦海岸は、波による浸食で形成された地形が続く景勝地である。その美しさから「関東の松島」とも称され、「日本の渚百選」、「日本の音風景100選」、「日本の白砂青松100選」等に選定されている。この地は、日本近代美術の発展に貢献した思想家、岡倉天心が終生の地として居を構えた海岸でもある。天心は、明治36年、この地に自らの設計で邸宅と思索の場として「六角堂」を建築し、近代日本画壇の巨匠である横山大観ら、日本近代美術に傾倒する芸術家らを呼び寄せた。天心邸は、登録有形文化財にも指定されており、「六角堂」、「記念館」とともに、「天心遺跡」として茨城大学の管理のもと、現在もこの地に残されている。この遺跡の中で、崖の上に位置し海面近くに建立した「六角堂」は、震災時の10m近い津波により土台だけ残し流出した。その後、約1年間に渡り、茨城大学と茨城県建築士会が連携し復興を進め、2012年に創建当初に限りなく近い形で再建された。また、「天心遺跡」に近い五浦岬公園には、天心を題材に制作され2013年に公開された、映画「天心」のロケセットが残る。映画「天心」は、天心生誕150年の記念および復興支援を目的に制作された映画で、茨城県、北茨城市等が一体となりロケ地への観光誘致を図り、映画の公開以降、「天心遺跡」、「茨城県天心記念五浦美術館」とともに新たな観光スポットとして親しまれている。また、北茨城市は、童謡・民謡の作詞家として知られる野口雨情の生誕の地でもある。「野口雨情記念館」には、歴史民族資料館も併設されており、雨情の作品や書、著作等が展示されており、同市の重要な文化施設の1つとなっている。

岡倉天心が思想の場とした「六角堂」。津波により流失したが、1年後の平成24年に創建当初の姿で再建された。

伝統的な祭りも交流人口の回復に貢献している。平成26年5月には、海上の安全と大漁を祈願する「常陸大津の御船祭」(おふねまつり)が東日本大震災以降初めて開催され、約15万人の観光客が見物に訪れた。「常陸大津の御船祭」は、5年に1度、5月2日および3日の日程で開催される春の大祭で、国選択無形民俗文化財に指定されている。両側に海の幸を描き御輿を乗せた神船を、水主(歌子)の歌う御船歌や囃しにあわせ300人ほどで引き回す見ごたえのある勇壮な祭りで、震災後初の開催となった昨年は、震災復興祈願も兼ねての催しとなった。

「常陸大津の御船祭」の様子。巨大な船が激しく揺さぶられながら、勢いよく前進。詰め掛けた観衆から大歓声が沸きおこる。

除染を終了した北茨城市では、福島との県境の自治体が特有に抱える様々な課題と丁寧に向き合い、住民の安心・安全の確保に継続的に努めるとともに、豊かな観光資源を活用したPR戦略で同市の魅力作りに日々取り組んでいる。

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