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茨城県日立市のレポート

令和4年11月更新

茨城県日立市について

日立市は、茨城県北東部に位置する人口約16万9千人規模の市。南北に長くのびた地形で、西側は阿武隈山系に連なり、東側は太平洋の海岸線に沿った、山海の豊かな自然に恵まれた市である。海岸線には、6箇所の海水浴場があり、うち3箇所は、国が選定する「快水浴場百選*」に認定されている。首都圏からのアクセスもよく、夏場には県内外から多くの海水浴客が集まる。また、桜の名所が多くあり、春には市内各所で満開の桜を見物できる。毎年開催される「日立さくらまつり」では、ユネスコ無形文化遺産であり、国指定重要有形・無形民俗文化財である「日立風流物(ひたちふうりゅうもの)」が公開され、高さ約15m、重さ約5トンの巨大な山車とその上で行われるからくり人形の芝居が、見物客を魅了する。豊かな水産物の産地としても知られ、アワビやウニ、さくらダコやアンコウなど、四季を通じて水揚げされる旬の魚を目当てに、市を訪れる観光客も多い。

除染実施計画に基づく除染措置完了
平成25年3月

また、日本有数の工業都市としても知られ、明治時代から鉱業、電気機械を中心とした産業が発展し、現在においても、市内には多くの事業所が集積する。
 東日本の中でも重要な工業地域であり、穏やかな気候と山海の自然に恵まれた日立市に、市が取り組んだ除染の努力を聞いた。
* 快水浴場百選…平成18年に、「美しい」、「清らか」、「安らげる」、「優しい」、「豊か」という水辺に係る新たな評価軸に基づき、環境省が選定した、全国各地の100箇所の水浴場。

平成23年5月より市独自で空間線量率の測定を実施。
子どもの安全・安心の確保を最優先に迅速に除染を進める。

日立市では、平成23年5月より、幼稚園、保育所、小中学校、公園やスポーツ施設等の空間線量率の調査を、市独自で開始した。子どもの安全・安心を確保するため、早急に汚染状況を把握し、速やかに除染等の措置を行うことが目的であった。この調査の結果、平均的な空間線量率が、毎時0.23µSv**を上回る施設が見つかり、平成23年12月に汚染状況重点調査地域の指定を受けた。市は、独自の調査結果に基づき、グラウンドまたは砂場において、空間線量率が高い幼稚園、保育所、小中学校について、平成23年11月より教育機関と連携し、市独自で先行して除染を実施した。さらに平成24年1月に放射性物質汚染対処特措法(以下「法」という。)が全面施行した後は、これに基づき、幼稚園、保育所、小中学校、公園やスポーツ施設等133施設(うち1施設は除染不要)を対象に、除染等の措置を実施し、平成24年度に終了した。

また、市は、法に基づき除染された133施設以外の幼稚園、保育所、小中学校、公園やスポーツ施設等、合計134施設についても、局所的に空間線量率が高い箇所について、市独自で除染を実施し、平成25年度に完了している。

除染実施後の各施設における平均的な空間線量率は、令和4年8月末時点で、毎時0.028~0.097µSvで安定しているが、市では、除染を実施した幼稚園、保育所、小中学校、特別支援学校については、平成23年10月から平成24年6月までは月に2回、平成24年7月以降は、月に1回、モニタリングを継続している。その結果は、市のホームページと広報誌で公表し、子どもが安心して生活を送れるよう、積極的な情報公開に努めている。
** µSv…マイクロシーベルト

市民の安全・安心を確保するため積極的に情報を公開。
細やかなリスクコミュニケーションを実施し市民の不安解消に努める。

日立市は、除染以外の放射線対策についても早い段階から積極的に取り組んでおり、特に、市民の不安解消を目的としたリスクコミュニケーションに注力してきた。平成23年10月から、市役所および支所、計7箇所の窓口において、市民への放射線測定器の貸出しを開始した。住宅等の民有地においても、空間線量率を所有者自らの目で確認し、不安を解消して頂くことが狙いだ。

また、子どもの健康維持と安全・安心を確保するための取組として、保護者からの要望が多かった、学校・保育園給食食材の放射性物質の濃度測定についても、平成23年7月より実施し、現在も継続している。測定結果は、給食が提供される前日までに市のホームページで公表している。
さらに、市役所では、自家栽培された農作物および、きのこ類や山菜類など山林で採取された食品類、井戸水や湧き水、土壌等についても、平成23年12月より、市民からの要望に応じ放射性物質の濃度測定を実施している。

毎年4月に開催される「さくらまつり」では、満開の桜の中、日立風流物が公開される。

食の安全に関する情報の公開を徹底。
新たな企画やPRを通じて観光客誘致と特産品の販売促進に挑む。

穏やかな気候に恵まれ、海と山に囲まれた日立市は、農水産物の宝庫である。

茂宮地区の土壌は、粘土分や有機質を多く含む栄養分の豊富な沖積土であり、味が良い農産物の産地として知られている。甘みが強くホクホクした茂宮かぼちゃや、肉厚で筋が少なくやわらかい茂宮白菜は日立市の地域ブランドとしても認定されており、市内の直売所でも人気が高い。しかしながら、震災以降、日立市産の農産物は放射性物質の検査結果が基準値を下回っているにも関わらず、風評被害により、取引価格が下落するなどの影響があった。市はこれを受け、JAと連携し、消費者がこれまで通り日立市産の農産物を安心して口にできるよう、その安全性について積極的な情報公開やPRを展開してきた。その努力もあり、出荷量は震災前の水準まで戻ってきている。

また、日立市沿岸の海域は黒潮と親潮がぶつかる、全国でも屈指の漁場であり、古くから漁業が栄えている。茨城一水質が良いといわれる久慈浜を中心に、四季を通じ豊富な水産物が水揚げされる。しらすやあんこう、さくらダコなどは、全国的にも人気の高い特産品である。平成4年に農林水産省の地域水産業活性化モデル施設として創設された「日立おさかなセンター」では、地元の漁港で毎朝水揚げされた新鮮な水産物を、地元の漁師が安価で販売、定期的にイベントを開催し県内外から多くの来場客の誘致に成功している。

しかしながら、日立市の水産業は、震災発生時に、津波や地震により、漁船の流出や漁港施設や漁協施設の損壊等、大きな被害を受けた。さらに、原発事故にともなう水産物の出荷自粛や風評被害の影響を受け、出荷量の減少および、取引価格が下落した。そこで市は、茨城県が実施する放射性物質の検査結果を、継続的に広報誌に掲載し食品の安全に関する情報公開を実施している。また、「日立おさかなセンター」と協力し、集客が見込めるご当地グルメをテーマにした新企画の立案や、毎月第四日曜日に「日立みなとマルシェ」の定期的な開催を平成25年5月からスタートする等、イベントの回数を増やす工夫を重ね来場客の誘致と販売促進を行っている。震災前から毎年10月に開催されていた、「日立港秋の味覚まつり」を、平成24年10月からは風評被害対策を兼ね2日間の日程で開催し、県内外から多くの観光客を集めている。

また、市民や漁業関係者にとって嬉しいニュースもあった。平成26年4月に「日立おさかなセンター」が茨城県内で11番目の「道の駅」として登録されたのである。今後は、市販のガイドブックや地図、カーナビ等に同センターが掲載されることにより、さらなる観光客の誘致が可能となり、市の水産業の活性化につながることが期待される。

除染が終了した日立市では、市民の安全・安心を確保するための取組とともに、豊かな観光資源を生かし市の魅力を市内外の人に届け、震災前のにぎわいを取り戻す努力を続けている。

県内外から多くの観光客が訪れる「日立港秋の味覚まつり」。

「日立おさかなセンター」で開催された
あんこうの吊るし切りイベント。

「日立おさかなセンター」では毎朝水揚げされる鮮魚を
購入できる。種類も豊富。

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