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イベントレポート

環境再生プラザ・移動展示

会場名 除染情報プラザ
実施日 2013年9月1日(日)
実施時間 13:30~16:45
イベント名 第2回 公開講座『福島で日常を暮らすために』
講師名 早野 龍五(東京大学大学院理学系研究科教授)
宮崎 真(福島県立医科大学医学部放射線医学講座助手)
司会者 橋本麻里氏(美術ライター)
内容

福島で日常を暮らすために必要な内部被ばく、外部被ばくの計測とそこから得られた事実について、震災以降、福島に住む人々のために取り組んできた早野龍五氏、宮崎真氏の二名が自身の経験や得られたデータをもとに講演を行った。

【第一部】
「個人線量を測定するという事」講師:早野龍五氏(東京大学大学院理学系研究科教授)
第一部では、個人線量を測定するという事」をテーマに、東京大学の早野龍五氏が、放射性物質の概論やホールボディ―カウンターでの内部被ばく調査で得られた知見を紹介。
また福島県内の食品検査で得られたデータや、日常を暮らすうえで流通している食品が内部被ばくの数値を押し上げていない事、そして僅かだが存在する、高い内部被ばくを起こすケースについて紹介した。

【第二部】
「測って何が分かったか」講師:宮崎真氏(福島県立医科大学医学部放射線医学講座助手)
第二部では、「測って何が分かったか」をテーマに福島県立医大の宮崎真氏が講演を行った。
自身も調査に関わった、福島県石川郡平田村のひらた中央病院のホールボディ―カウンターのデータを引用し、福島県内の内部被ばくの状況について、「総じて検出量は低い=全体として摂取量が低い」「同じ集団での追加摂取が考えにくい」「それでも個別に高い事例がある」などと述べた。
個別に高い事例については、(1)野生・自生食品を食べている、(2)放射性セシウムが移行しやすい食品を食べている、(3)未検査の食品を食べている、(4) (1)~(3)を継続して常食している という複数の要因が重なっている方に限定されていると紹介した。

【第三部】
「パネルディスカッション」
講師:早野龍五氏(東京大学大学院理学系研究科教授)/宮崎真氏(福島県立医科大学医学部放射線医学講座助手)
第三部では、会場から寄せられた質問に対して早野氏、宮崎氏が回答。下記で質疑の一部を紹介。

Q. 低線量被曝のリスクは?
A. 他の天然のものと比較してどうか。定量的な議論が必要。内部被ばくは低い。
外部被ばくは殆どの方は他の特別な地域よりも低い。物差しを広くもつことやマスコミの力も必要(早野氏)
Q. 「福島には住むべきではない」というような一部の方の意見にどう対応するか?
A. マスコミなど大勢に伝えることが必要。
福島のデータを見ずに言っている方もいるので、地道に伝える活動を続けていかなくてはならない(早野氏)
リスクコミニケーションを個別と広くしていく必要がある。教育現場で不安を持つ子供たちに指導教育も大事(宮崎氏)
記録写真

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