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No.7
インタビュー:2020年11月 楢葉町
鈴木 謙太郎(すずき けんたろう)さん
木戸川漁業協同組合 ふ化場長
木戸川漁業協同組合のふ化場長として震災前からサケのふ化放流事業に従事。2015年に木戸川漁業協同組合が本格再開した後、木戸川のサケの資源回復、鮎釣り再開に向けて、日々取り組んでいる。
震災以降、上がってくるサケは2014年から2018年まではおよそ3,000~8,000匹が確認されていました。昨年は台風による河川の氾濫で少なく、今年は11月初旬の時点でおよそ500匹です。全国的な傾向として今年は太平洋側の遡上が少ないようです。しばらく海水温が高い状況が続き、そのせいもあるのかもしれません。
サケは海に出るとベーリング海、アラスカ湾まで長い旅をして故郷の川に戻ってきます。平均で4年で戻るといわれていますが、これまで、ウロコと耳石を使った調査から3~7年と幅があります。ふ化事業だけでなくこうした調査も継続して実施しています。
木戸川のヤナ場
ヤナ場の下流で産卵床を掘るサケ
(中央で光って見える)
ヤナ場の手前で網を干していた
木戸川漁協で販売している商品
震災前、漁協ではサケだけでなく鮎の放流や出荷もしていました。中間育成場として県内のほとんどの河川に70万匹ほど出荷していたこともあります。震災以降、放射性物質検査を続けながら、今年になってようやく放流を復活させました。来年に解禁することができれば、以前のように県外からも多くの人が訪れて、地域の活性化にもつながるので期待しています。
最近になって、国産のサケが見直されています。加工と販売もしていますが、生サケやイクラ、燻製品に加えて、高校生とコラボして商品開発した鮭フレークがヒット商品になり、個人の方からも多くの問い合わせがあります。楽しみにしてくれている方たちがいてとてもありがたいです。
これからについては、自然が相手なので、ヤナ場の強化や河川の保全を図りながら、忍耐強く対応していくしかありませんね。福島県内では10河川でサケが獲られていましたが、まだ再開していないところもあるので、みんなで連携しながら、地域の貴重な資源として大切にしていきたいです。
楢葉町にあり、阿武隈山地を水源として太平洋に注ぐ木戸川は、震災前、7万~10万匹のサケが遡上する本州でも有数の川でした。当日は、木戸川漁業協同組合によるサケの合わせ網漁を見学しました。
ふ化場長の鈴木謙太郎さんによると、震災後の2011年からしばらくは、稚魚の放流ができなかったそうです。2018年は、遡上したサケは確認されたもので6,147匹とのことで、自然ふ化で命をつないできたものです。2015年度から放流を再開し、2018年は300万匹ほど。サケが生まれ故郷の川に戻るまで4~5年、帰ってくるのはおよそ0.5%。美しい木戸川の自然環境とサケを大切にして、地域再生が進められています。
合わせ網漁を見せていただき感謝です。漁師さんと漁協のこの7年間の苦労と努力に頭が下がります。サケの回復はもちろん、若い後継者が育って益々サケ漁が活発になることを期待しております。
サケが元の川に戻ってくる様子を見ることができて感激しました。木戸川のサケの遡上は浜通りの大きな魅力です。「見て感動」「食べて感動」というのが素晴らしい組合わせですね。
初めて漁をやっている所を見ました。間近で見たサケは、歯が鋭く実が引き締まっていて、子孫を残すため、生きるために必死なのだなと感じました。漁は高齢な方が行っていたので、それを継ぐ若い人が必要だと感じました。しかし皆、歳を感じさせないくらい元気でこれからも若い人に負けないよう頑張っていってほしいです。
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