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No.14
インタビュー:2020年10月 飯舘村
森岡 賢治(もりおか けんじ)さん
株式会社菊池製作所 福島工場 総務課長
原発事故後、飯舘村が全村避難となっても、社員一丸となり今日まで操業を続けてきた菊池製作所。福島工場の事務全般についてとりまとめを行っている。
これまで事業として継続している精密機械の部品の製作、加工などをしながら、ユーザーが喜ぶものづくりを目指して開発に力を入れています。腰などの負担を軽減するマッスルスーツは、多くの介護関係者や医療関係者などにこれまで1万台ほどご使用いただいています。開発当初、重さ9kgほどでしたが現在は3.8kgとなり、値段も大幅に下げています。
自然に囲まれた飯舘村で先端のロボット開発を進める菊池製作所
軽量化されたマッスルスーツ
お話を伺った森岡さん
南相馬でスマートシティプロジェクトを立ち上げて、これから本格的に進めていくこととなっていますが、介護医療関係でのロボットの導入やとデジタル化の面でベンチャー企業や研究機関などと連携して、住みよいまちづくりに貢献できればと思います。
また、今後、さらに高齢化社会となっていく状況の中、ロボットを活用して高齢者の見守りなどに貢献できるよう、福島市と連携して研究施設と工場を作る予定です。
これからも、地元の行政、企業、研究機関などと連携協力して、地域作りのキャンパスを担う、地域貢献ができる企業として役割を果たしていきたいです。
本社は東京都八王子市。社長の出身地・飯舘村に福島工場があります。
原発事故の影響で、飯舘村は「計画的避難区域」に指定されましたが、震災から1日も稼働を止めず操業を続けてきました。
現在、ロボット事業を本格化させ、介護用の筋力補助装置「マッスルスーツ」の製造・販売、ロボット関連企業として、その主要部品の製造をしています。
やはり福島の人が地元に残る環境づくりが重要です。事故の影響で震災前には約290人いた従業員が一時は100人程度退職しましたが、現在は、震災前の状況に戻ってきています。
日本の最先端技術が、飯舘村に存在したことが素晴らしい。社長が自分の故郷を思う心。震災があったにも関わらず会社を守ってきた社員の皆さんなど。飯舘村には村を大事にする人がたくさんいることがわかりました。素敵な村ですね。
原発事故後も飯舘村に残り、事業活動を維持し、企業としても成長を成長されてきた。社員の皆さまの努力に感動しました。
高齢化社会を想定された製品は、これからの恩恵をもたらしていただけるでしょう。避難されずイノベーションを進められた製作所の社風は生き方にも継がれています。
ロボット開発について、介護・医療用ロボット、災害ロボット等に力を入れており、大学及びベンチャー企業との連携を図り、技術の向上を目指しています。
住所:〒960-1801 福島県相馬郡飯舘村草野字向押25-1
電話:0244-42-0913(代表)