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No.11
インタビュー:2020年10月 南相馬市
廣畑 祐子(ひろはた ゆうこ)さん
おだかぷらっとほーむ 代表
小高工房 代表
南相馬市小高生まれ小高育ち。2児の母。2015年7月に住民交流スペース「おだかぷらっとほーむ」を立上げ。2017年には「小高工房」をスタートさせ、住民の憩いの場に留まらず、地域全体が元気になる様々な活動を続けている。
避難指示解除直後、小高に帰ったときに誰にも会わず明かりがついている場所もなく、とても寂しくやりきれない思いを感じました。来た人が立ち寄って話ができる場所として小高駅前で「おだかぷらっとほーむ」をしばらく運営していました。避難指示解除直後の2016年7月の小高の人口は約500人、徐々に増えてきて1,000人、そして今は3,700人ぐらいでしょうか。
2017年4月に「小高工房」を立ち上げ、トウガラシを使った商品作りと販売をしています。店として開いたのは今年の2020年です。避難指示解除後、農家の人たちが作物を植えてもイノシシにやられてどうしようもないという状況がありました。その中でトウガラシはイノシシの被害を受けないで収穫できる作物だったのです。小高の地元で作ったものを商品化して、地域の経済を回して、コミュニティの再生のために少しでも役に立てればとの思いからです。今は辛さの違う3種類のトウガラシを始め、10種類ほどの商品ラインナップがあります。
トウガラシをベースに開発した商品たち
小高のこれからについて熱く語る廣畑さん
10年前、震災の発生からしばらくは先の見えない中、だれしも大変で、震災が起きる前は今の状況は想像もしていませんでした。しばらくして、ちょっと先のことはできるので、自分の気持ちと向き合いながら、できることをやってここまできたという実感です。
これからについて、10年先などの計画があるわけではなく、利益だけのために事業をやっているのではありませんが、やはり利益ベースに乗せないと事業が続けられません。事業も含めて地域が残るような活動、次の世代に残すような活動を、これからも自分の気持ちと向き合いながら考えてやっていくんだろうな-と思っています。
小高区の自宅周辺は津波で被災し、鹿島区の仮設住宅に避難しました。
やりたいことが分からない、思いついてもやって良いか分からない。でも、とりあえずやってみようと仮設住宅でビニールハウスを建て農園を造りました。小高に戻れるようになってからは、誰でも気軽に立ち寄れ、休んだりできる住民交流スペース「おだかぷらっとほーむ」を始めました。
小高では、1,000人が暮らし始めています(2016年当時)。今住んでいる人たちで新しいコミュニティを少しずつ作っていけば、これから人が増えていって、すごくいい町になると思っています。
ここを訪れた皆さんがプラス1となって、小高を応援してくれるとうれしいです。
小高を愛する人の口から、住民の切実な状況と気持ちを聞くことができて、いろいろなことに気づくことができました。5年後の家族構成の話など我がことのように問題を感じることができました。
震災前は13,000人いた住民が、事故後1,000人になったというより、0人が1,000人になったという言葉にこれからの希望を感じた。
小高の現状を知り、今後発信していかなくてはと思った。減った人口をどうするかではなく、人口を増やすためにどうすれば良いか、私達でもできることを協力していきたい。
駅前の大通り、小高交流センターのすぐ近くに立地する住民交流スペース「おだかぷらっとほーむ」は、小高区を訪れる人が好きな時に来てお茶を飲んだり話をしたり、区内外の人の情報を受発信できる場所として、休憩場所、講座、講習会の会場など、様々に利用されています。
小高とうがらしプロジェクトを中心に、南相馬市の住人で一つ一つ手作りで栽培しています。栽培から販売までを通じて、小さな経済を回そう。何もないところからの地域再生を目指しています。
住所:〒979-2124 福島県南相馬市小高区本町1-53
TEL・FAX:0244-26-5856(おだかぷらっとほーむ)/0244-26-4867(小高工房)
問合せ:info@odaka01.com