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パート8 第3回 「除去土壌の再生利用ってどんなことをしているの?②」
第3回
「除去土壌の再生利用ってどんなことをしているの?②」について
なすびの解説
飯舘村長泥地区で続けられている農地での除去土壌の再生利用について、今回は、汚染されていない土で覆わない実証事業が行われているとの事で、実際にどのような形で実施されているのか、環境省の担当者の方にお話をお聞きしました。
現在、行われている実証事業は、再生利用する土を汚染されていない土で覆った場合と覆わない場合での、農作物の生育状況や安全性を比較するために行っていて、前回取材した、汚染されていない土で覆土する実証事業から、さらに一歩踏み込んだ実証事業という事になります。
事業を進めるにあたっては、長泥地区の住民の方も参加する会議での議論を踏まえて、環境省から提案したものについて了承を得られた上で実施しているとの事でした。
長泥地区の農地の造成工事については、東日本大震災後、この約10年間、全く手つかずのままで、私も現地に足を運び、木々が森のように生い茂っているのを目にしましたが、時間を置いて何度か足を運ぶ中、樹木の伐採や除草作業が行われていき、かつて農地だった面影が見える状況に変わってきていました。
今後も環境省では、地元住民の方々の思いに耳を傾けつつ意見を集約しながら、安全性を最優先にして、実証事業を着実に進めていきたいと仰っていました。
また、さらなる安全性を確保する上で、造成している農地からの土砂の流出を防ぐため、川沿いに土留めの工事を行ったり、他にも、再生資材として利用している土を浸透していく雨水等をコンクリートの升に集め、モニタリング調査を実施していくとの事でした。
この先の事業工程としては、長泥地区に除去土壌を運搬し、並行してその除去土壌から異物等を取り除いて再生資材化をし、広大な34ヘクタールもの農地の盛土造成を行っていく予定だそうです。
除去土壌を農地で再生利用する実証事業の結果として、汚染されていない土で覆った場合と覆わない場合で、農作物の安全性については食品基準値よりも低い数値となっていて、生育にも大きな差がない事が確認されましたが、これからも何より安全性を最優先で事業を進めて欲しいと思います。
今回のテーマがより分かる
参考資料・動画集
第3回収録を終えてなすびの「さらなるギモン」
除去土壌を再生資材として使う事によって、どれ位の量の除去土壌が再生資材化出来る想定なのか?具体的な目安を知りたいと思いました。
現在飯舘村長泥地区(2~4工区)の工事を行っている箇所では、約43万トンを想定しています。
第3回撮影時の様子写真ギャラリー
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環境省喜久川さんとなすび
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除草や樹木伐採後の農地
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覆土が無い場合で栽培実験しているキャベツ