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パート5 第8回 「除去土壌の再生利用って何?」
第8回
「除去土壌の再生利用って何?」について なすびの解説
除染で出た除去土壌の再利用が検討されているという話について、以前から耳にする事はありましたが、今回は、実際にどのような再生利用が検討されているのかを調べてきました。
除去土壌の再生利用の目的としては、福島県内各地での除染により大量の除去土壌等が発生してしまった中で、現在、中間貯蔵施設の運用が始まりましたが、中間貯蔵開始後、30年以内に県外へ最終処分される事が決まっている訳ですが、その最終処分する量をなるべく少なくするために、除去土壌の再生利用の検討が始まったとの事です。
再生利用が検討されているのは、責任体制や管理主体が明確な公共事業に限定されているとの事ですが、具体的には、道路や防潮堤、海岸防災林等での利用が検討されているとの事でした。
作業者や一般の方の追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下におさえられるように放射性物質濃度の制限をしたり、汚染されていない土で覆う事等を施して再生利用する量を念頭においているそうです。
再生利用に際しては、やはり放射線量等の影響が懸念されます。
そういった懸念への対策としては、現在、南相馬市で放射線などの影響を検証するための実証事業が実施されています。
防潮堤等に用いられる除去土壌を使った盛土においては、盛土を作る際、空間線量だけでなく、空気中の放射性物質濃度や盛土を通過する雨水の放射性物質濃度も測定しているそうですが、いずれにおいても影響がないという結果が出ていて、再生利用の行程を試験的に実施し検証する事により、一定の安全性が確保されていました。
除去土壌の量を少しでも減らすために、公共事業への再生利用が検討されている中、南相馬市で実証実験がなされていて、放射線量のモニタリング結果等からも、除去土壌の再生利用における安全性が確認されている事が理解出来ました。
今回のテーマがより分かる
参考資料・動画集
第8回収録を終えてなすびの「さらなるギモン」
南相馬市で行われている実証事業の現場を見てきましたが、実証事業を経て、いつ頃から実用化される予定なのでしょうか?
もし時期的な目安があれば、知りたいと思いました。
除去土壌等の減容・再生利用に係る中長期的な方針として平成28年4月にお示しした「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略」では、まず10年間程度で減容・再生利用を実施するための基盤技術の開発を行うこととし、再生利用についても可能な限り早期に本格化させるとしています。
また、除去土壌の再生利用実証事業等を通じて得られた知見を、再生利用の手引き等に反映していくこととしています。
まずは、除去土壌の再生利用実証事業等を通じて知見を着実に積み重ね、再生利用の本格化に向けて取り組んでいきます。
第8回撮影時の様子写真ギャラリー
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環境省の山田さんとなすび
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再生利用の実証事業の現場
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撮影準備をするなすび