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パート5 第7回 「中間貯蔵施設ではどうやって貯蔵しているの?」
第7回
「中間貯蔵施設ではどうやって貯蔵しているの?」について なすびの解説
前回は、除染土壌等を中間貯蔵施設に運搬するトラックの輸送における管理の現状について、お伝えしましたが、今回は、いよいよ去年から一部運用が始まった、中間貯蔵施設に伺ってきました。
私自身、中間貯蔵施設に立ち入ったのは今回が初めてでしたが、中間貯蔵施設では放射性物質に汚染された土壌等を扱うので、施設の中に入る場合、ヘルメットやマスク、手袋、長靴の着用が必要となります。
また、中間貯蔵施設の中は、放射線管理区域となるので、個人線量計を身に付けて、中に入る人の被ばく線量を管理しなければなりません。
中間貯蔵施設は、受入・分別施設と土壌貯蔵施設の二つ施設が現時点では稼働中です。
具体的な作業の内容は、受入・分別施設では、福島県内の仮置場から搬出された除染土壌等を受け入れ、破袋設備で大型土のう袋を高圧水で破いて、その中身の土壌に混ざっている可燃物と不燃物を分別します。
可燃物は草や木等、不燃物は石や土等に分けられ、大きさの違うふるいにかけて、さらに細かく分別されていました。
貯蔵する前には、貯蔵が安定的にできるように除染土壌の改良がされていて、段階を経て分別されている事が分かりました。
分別された後は、土壌貯蔵施設に運搬されます。
土壌貯蔵施設では、遮水シートを設置して、土壌の搬入作業中に降った雨水等を集めてから処理をして排水しているそうです。
さらに、貯蔵した土の飛散や流出を防ぐために、最後に上から汚染されていない土で覆って貯蔵をしているとの事でした。
今回は、中間貯蔵施設の中でも、現在稼働している、受入・分別施設と土壌貯蔵施設を見学できた訳ですが、安全対策が施されている事を確認できました。
施設内を見学させてもらう前に、施設の概要を説明するためのビデオを見せていただいたんですが、福島県の復興と再生に向けて、中間貯蔵施設が着実に運用される事がとても重要だという事を、改めて認識もしました。
これからも中間貯蔵施設の運用の状況を、福島県民目線で、しっかりと見つめていきたいと思いました。
今回番組に登場した用語解説
- 中間貯蔵施設
- 放射性物質を含む土壌や廃棄物を、最終処分するまでの間、安全に集中的に管理・保管する施設。
【中間貯蔵施設に貯蔵されるもの】- 除染に伴い生じた土壌、草木、落葉・枝、側溝の泥等(可燃物は原則として、焼却して、焼却灰を貯蔵)
- 上記以外の廃棄物(廃棄物1kg当たり放射能濃度が10万ベクレルを超えるものを想定。可燃物は原則として、焼却して、焼却灰を貯蔵)
今回のテーマがより分かる
参考資料・動画集
第7回収録を終えてなすびの「さらなるギモン」
福島県内には、除染で出た除去物が、まだまだ大量に仮置場にある訳ですが、その除染土壌等の中間貯蔵施設への搬入は、いつ頃までに完了できる予定なのか、現時点での目安や目標があれば知りたいと思いました。
福島県内全体における除染土壌等の総量は、1,600万~2,200万m3(東京ドーム約124万m3の約13~18倍)と推計されており、このうち平成32年度までに最小500万~最大1250万m3程度を目標に輸送しています。
これにより、住民のみなさまの身近な場所や幹線道路沿いにある仮置場等の早期解消を目指しています。
より詳しい情報は中間貯蔵施設情報サイトの<中間貯蔵施設に係る「当面5年間の見通し」(平成28年3月27日公表)>に掲載しておりますので、ご確認ください。
第7回撮影時の様子写真ギャラリー
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分別される除去土壌
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下層に遮水シートを敷設
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除去土壌を貯蔵