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パート2 第2回 『水道水の管理はどうやってるの?』
第2回
「水道水の管理はどうやってるの?」について なすびの解説
飲み水としても生活に欠かせない水道水。
震災後の福島では、未だに水道水を直接飲むことに不安を持っているとの話を耳にすることがあります。私自身は、これまで水道水について意識したことは、ほとんどありませんでしたが、県民の皆さんの悩みを解消するためにも、水道水がどのように管理されているのかを確認するために、今回は福島市の「すりかみ浄水場」を訪問しました。
パート1でも学びましたが、仮に放射性セシウムが原水(水道水の元となる水)から検出されたとしても、水自体に溶け込んでいるのではなく、水中の土や泥等に付着しています。その土や泥を凝集剤で使って取り除き、さらにろ過・消毒されて、飲み水となって家庭に供給されているとのことでした。※現在、水道水の元となる原水でも放射性セシウムは検出されていません!
また、飲み水の放射性物質の検査は、週1回、ゲルマニウム半導体検出器という機器を使ってより詳細な検査が行われています。2011年に導入してから2年半以上、飲料水の基準値10ベクレルはもちろんのことと、検出限界値である1ベクレルでも全て不検出となっていることが分かり、水道水を安心して飲めることが分かりました。
今回番組に登場した用語解説
- 凝集剤
- 粒子を凝集させるために加える物質。浄水工程などで、水道原水中のにごり等を除去するためなどに用いられる(参考文献:大辞林・三省堂)。
※凝集・・・集まって固まること。
- 浄水発生土
- 浄水場で水道水をつくる過程において、浄化される際に取り除かれた土砂や濁り成分などを集めて脱水処理したもの。
- 放射性セシウム
- 「放射線を出す性質」をもつ物質の一つ。今回の原発事故では、主に放射性ヨウ素と放射性セシウムが放出され、そのうち長く残存する放射性セシウム(セシウム134とセシウム137)の影響が、問題となっている。
- 放射性物質
- 「放射線を出す性質」をもつ物質。2011年3月の福島第一原発事故では、主に放射性ヨウ素と放射性セシウムが原子炉から放出され、そのうち長く残存する放射性セシウムの影響が、問題となっている。温泉に含まれているラドンやラジウム、動植物に含まれているカリウムなども放射性物質であり、もともと自然界に存在している。カリウムを多く含まれる食品を食べることにより体内にも取り込まれている。
福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の状況等についてはこちらをご覧ください。
- 放射能
- 「放射線を出す能力」を放射能といい、放射能をもった物質のことを放射性物質という。懐中電灯に例えてみると、光が放射線、懐中電灯が放射性物質、光を出す能力が放射能にあたり、一般に「放射能漏れ」とは「放射性物質漏れ」のことであり、放射線を出す放射性物質が原子力施設の外部に漏れ出すことを指す。
- ゲルマニウム半導体検出器
- 液体窒素温度(-196℃)に冷却された高純度のゲルマニウム結晶が放射線のエネルギーを電気信号に変換するセンサーとして動作する。エネルギー分解能が非常に優れているため、マルチチャネル波高分析器と組み合わせて環境試料などのガンマ線スペクトルの測定に広く使われている。検出器の部分は、バックグラウンドを減らすため10cm以上の厚い鉛で遮へいされている。
- 検出限界値
- 測定機器で検知できる放射性物質濃度の最低値。
今回のテーマがより分かる
参考資料・動画集
第2回収録を終えてなすびの「さらなるギモン」とその回答
家庭に送り出されている水道水の安全性は確認出来ましたが、ダムで取水している水の検査はどの様に行われていて、どの様な結果が出ているのかが気になりました。
ダムで取水している水については、浄水場に導かれてすぐの水(原水と言います)を週1回、ゲルマニウム半導体検出器を使って放射性物質の検査を行っています。
なお、検査結果については、不検出であり安全が確認されています。(検出限界値:1Bq/Kg)
第2回撮影時の様子写真ギャラリー
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ぎもんをぶつけるなすび
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実験撮影を凝視するなすび
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測定器と黒澤さんとなすび
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夕方になっても続く撮影
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撮影終了後、すりかみ浄水場の皆様と
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また、みてね~