第4回

「大気中の放射性物質はどうなってるの？」について　なすびの解説

今回は、福島大学にお邪魔して、福島県内の大気中の放射性物質の現状について、渡邊教授に話を聞いて来ました。

福島県内の大気中の放射性物質の濃度（空間線量とは異なり、大気の中のチリやホコリに付着している放射性物質の量のことです！）は、まだまだ高いのではないかと、不安に思われている方もいらっしゃると思います。
実際、福島県や原子力規制庁が測定している結果では、ごく微量ながら検出されている場所があります。

渡邊先生の研究室では、そのそく測定データよりもさらに詳しく分析しているとのことで、その内容をうかがってきました。
その分析結果からも、大気中の放射性物質は、完全に不検出では無いという実態も分かりました。

1960年代に世界中で核実験が行われていた時期には、むしろ今より高濃度だったこと、チェルノブイリの原発事故の時も（日本国内の大気中でも）濃度が高くなっていたという事実を知ることが出来ました。
半減期が長い放射性セシウム等は、その時のものも未だに大気中を漂っている訳で、大気中の放射性物質の濃度は、時代によって増減を繰り返しているということも分かりました。

そんな中、震災以降特に福島県内の放射性物質の濃度は高いまま推移しているのではという懸念がまだ残されています。
しかしながら、昨年の平均濃度で、６トンの大気中に１個の放射性物質があるかないかの程度とのことで、なかなかイメージしにくいですが、ごくごく僅かだということです。
そのため、呼吸による放射線影響もとても小さいということになり、外に洗濯物を干した場合に付着する放射性物質の量も極めて少ないと考えられます。

福島県内の定期的な大気中の放射性物質の測定結果は、ほとんどが不検出で、福島大学が実施している精密な測定でも、大気中に漂う放射性物質はごく微量しか検出されておらず、洗濯物等を心配なく干す事が出来ることも分かりました！