ここから本文です

令和3年度大熊町聞き書き活動報告会

実施レポート

実施日:2022年3月24日(木)
場所:KUMA・PRE(大熊町)

これまでの大熊町聞き書き活動の集大成として、慶應義塾大学公認学生団体S.A.L.あじさいプロジェクトの皆さんが制作した冊子『架け橋-伝えたい大熊の記憶-』の完成にあたり、大熊町内に完成した交流施設「KUMA・PRE」に、聞き書き活動の話し手として協力していただいた方々を招いて聞き書き活動報告会を開催しました。(学生の皆さんはオンラインで参加)

報告会では、学生の皆さんから、これまでの活動の振り返りと、完成した冊子について報告があり、話し手の皆さんからのご感想を伺いました。また、最後には今後冊子をどのように活用して町の情報発信に繋げていけば良いかなどの意見交換を行いました。

・大熊町聞き書き活動報告

慶應義塾大学公認学生団体S.A.L.あじさいプロジェクトの学生さんから、2019年より大熊町で実施した聞き書き活動の成果をまとめた冊子『架け橋-伝えたい大熊の記憶-』の完成報告として、これまでの活動の振り返りと、完成した冊子の紹介、話し手とのエピソードや当時の感じた思い、今度の冊子の活用などについて発表されました。

学生の皆さんは、今後、それぞれの出身の中学校へ出向き、冊子を活用して町の記憶を伝承する活動に取り組む予定です。


・話し手の皆さんからのご意見・ご感想

聞き書き活動に参加して感じたこと、完成した冊子を読んでみたご意見やご感想について伺い、意見交換を行いました。

【主なご感想・ご意見】

  • これから大熊町に住むことになるであろう方々、未来未知の人たちに知ってほしいと思う。
  • 11年が経過して、多くの方は地元民の思いについては風化という一語に尽きるようになっている。中間貯蔵も30年という期限になっているが、不透明さも残っている。若い学生の皆さんには、これを契機に、事故後の進捗を正視し、善い方向に進むように努力してほしいと思う。
  • 長い時間をかけて聞き取りしたことを文章に起こすということはとても大変な作業だと思いご苦労に頭が下がる。ご縁を大事にしたいと思うので、卒業される皆さんもぜひ今後のお付き合いをよろしくお願いしたい。いつでも大歓迎する。
  • 冊子を読んで、改めてふるさとの懐かしい思いや、さみしい気持ちがこみ上げてきた。
  • 自分たちや大熊町が経験したことを若い世代に引き継いでほしい。

・今後の冊子を活用した発信活動についての意見交換

今後、首都圏や県外の中学生を対象としたワークショップなどで冊子を活用するにあたり、話し手の皆さんからご意見を伺いました。

【主なご意見】

  • 大熊で発電した電力を利用していた首都圏の人たちに読ませたい。原発事故に遭った地域と人々の赤裸々な苦悩と体験を、電力を消費した人たちと共有することができれば、被災者として納得し、受け入れられるのではないかと思う。
  • 多くの方々に読んでいただけるような方法を考えてほしい。
  • 年配者にはやっぱり冊子が喜ばれると思う。町役場や各地域にあるサロンにおいてもらえれば手にすることができると思う。
  • 原発事故による辛い経験は私達だけに止めたい。震災関連死2,330人余りの「おもい」を無駄にせず、今後の教訓となるよう生かしてほしい。
  • 原発事故という他の地域とは違う特殊性、戻りたくても戻れないという思いも伝えてほしい。

ページトップへ

  • 福島県
  • 環境省

サイトのご利用案内ここまでです。