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『大熊・双葉環境まちづくりミーティング 』(第1回)
実施レポート
実施日:2020年7月19日(日)
会場:大熊町役場本庁舎(1Fおおくまホール)
大熊町は令和2年2月に「大熊町2050ゼロカーボン宣言」を行い、再生可能エネルギーを活用したゼロカーボンタウンの先進地として、子ども・孫たちが誇りをもって語れるまちづくりを目指すことを表明し、また、双葉町は令和4年春頃に双葉駅を中心とする区域の避難指示解除と町内居住開始を目標として、今後、駅西地区をモデルに、新たなまちづくりのビジョンを定めるところです。
環境省は、両町の将来を見据えた共感力のあるビジョンの定着に向けた第一歩にするため、「環境」や「持続可能性」をキーワードに、まちづくりについて意見交換を行う場として「大熊・双葉環境まちづくりミーティング」を両町と共催することといたしました。
第一部 トークセッション(進行役:立命館大学衣笠総合研究機構 開沼 博准教授)
第二部 情報提供
第三部 ワークショップ(コーディネーター:名古屋商科大学ビジネススクール 小山龍介准教授)
トークセッションでは、小泉環境大臣、吉田大熊町長、伊澤双葉町長より本ミーティング開催に至った経緯や期待することをそれぞれの立場でお話しいただきました。
トークセッション開始に先立って、進行役の開沼先生より、今回の「大熊・双葉環境まちづくりミーティング」の進め方の説明があり、大臣、両町長のプレゼンテーションが行われました。
・小泉環境大臣プレゼンテーション
両町に苦渋の決断をいただき建設稼働中の中間貯蔵施設、コロナ危機による東京一極集中の脆弱性、その是正に関わるデジタルと脱炭素、この地区における再生エネルギーのポテンシャルの高さ等の説明の後、本ミーティングへの要望、期待についてコメントがありました。
・大熊町吉田町長プレゼンテーション
震災後10年目を迎えた町の現状について、町民の居住状況、帰還に対する意識調査等の説明の後、この町を次世代に残していくための考え方や目指す目標に加え、「大熊町 2050 ゼロカーボン宣言」の理念と施策について紹介されました。
・双葉町伊澤町長プレゼンテーション
震災による被災状況について、また、現在の町の状況では、本年の避難指示解除、令和4年に予定している特定復興再生拠点区域での居住開始、一方で帰還意向の低い意識調査等の説明の後、町が抱えている問題とそれを解決するために本ミーティングに寄せる大きな期待のことばがありました。
進行役:
立命館大学衣笠総合研究機構
開沼 博 准教授
・大臣・両町長によるトークセッション
小泉大臣からは、今回のミーティングにおいて参加者からいただいた意見を基にして、両町が計画した事業へは国が支援をしていく考えであること、大熊町吉田町長からは、2050年は、福島第一原発の廃炉計画、中間貯蔵施設の解消時期とほぼ同時期であることからその時にどのような町になっているべきなのかが大きな命題であること、双葉町伊澤町長からは、復興産業拠点や産業交流センターへの企業の誘致や、駅西地区の住宅エリアの用地取得等が進んでおり、帰還される住民、新たに住み始める住民の方々に住みやすい町作りを目指しているとのコメントがあり、共に今後のまちづくりのために本ミーティングが有意義なものになるよう参加者への期待を込められセッションは終了しました。
(プレゼンテーション配布・投影資料)
・大臣・両町長と参加者全員での記念撮影
大臣、両町長と共に参加者全員で記念撮影が行われました。
進行役の開沼先生より、水俣市と大熊町、双葉町の共通点について説明があり、この後説明予定の水俣市が行ってきた取り組みが今後のまちづくりへのヒントになるのではないかという話しがあり、情報提供の部が開始されました。
・水俣市
(国保水俣市立総合医療センター 事務部 松木部長)
水俣病の原因となったチッソ(株)の城下町と認識していた水俣市の地域経済循環分析により、消費、エネルギー代金、投資が流出している事実を確認し、それを止める施策として地域の掘り起こし、産業・企業の育成、市内消費の増加等を目的とした取り組みによる結果について、 web参加により水俣市より説明がありました。
・大熊町(企画調整課 石田係長)
大熊町の震災被害状況説明の後、現在の避難指示解除の見通しや住民の状況について、また、大川原地区を起点として下野上地区も含めた産業や居住地整備により、4,000人の住まうまちづくりを目指していることを説明しました。さらにゼロカーボン宣言の理念の話があり、本ミーティング参加者に対して、これからのまちづくりのための貴重なアイデアを是非聞かせてほしいと要望されました。
・双葉町(復興推進課 田中主幹)
双葉町の現在の取り組み状況について、海側の避難指示解除地域のなりわい情報発信拠点、双葉町西側地区における帰還者と新な居住者が共に営む町つくり、中野地区における復興産業拠点の状況、エネルギーとモビリティーからアプローチする豊な暮らしを目指していることなどが説明され、本ミーティング参加者と共に今後のまちづくりを考えていきたいと結びました。
・環境省(環境再生・資源循環局 大倉企画官)
脱炭素の必要性について、異常気象の原因の一つであること、またその方法について、エネルギー消費の半減と共に、エネルギー源の転換を行うことで対応できると説明があった。さらに、大熊町と双葉町の所得循環構造について、それぞれの構造の違いが説明されました。
ワークショップでは、福島県内そして福島県外からも多くの地元にゆかりのある住民の方々をはじめ、最前線で活躍されている方々、企業の方々にご参加いただき、 大学生を含む若い世代の方々も数多く見られ、 現地会場では43名、 webでは35名の方々により、それぞれ9つと7つの班に分かれて、コーディネーターである小山先生のわかりやすい進め方の説明があり、「2050年の大熊町・双葉町の姿」について意見を出し合っていただきました。
・ワークショップの様子
ご参加された方々より非常に数多くのご提案があり、各テーブルで出された意見を模造紙に書き留め、当日の意見だし結果が、貼りだされました。
合計で269の未来の姿について提案が出されました。
・各テーブルで出された提案を書き留めた模造紙(webテーブルはweb上にまとめました)
現地参加者テーブル提案記載分
web参加者テーブル提案記載分
コーディネーター:
名古屋商科大学ビジネススクール
小山 龍介 准教授
8月に行われる予定の第2回目ミーティングでは、提案された事業の内、その実現性の観点からピックアップされた事業について、さらに具体的に深堀を行っていく予定です。